外壁塗装の主な劣化症状や各塗料の耐用年数について解説
2024/05/06
外壁は家を風雨から守る大切なものです。
サイディングやモルタルなど色々な種類がありますが、外壁の本体だけでは防汚、防カビ、防水などの機能が足りないものも多くあります。
外壁の上から塗装をおこなって防水機能など付与してしっかりと保護してくれるのが「外壁塗装」です。
一度塗装すればずっと長持ちするというわけではなく、時間とともに劣化していき機能が低下します。
劣化するとひび割れやチョーキングなどの劣化症状が現れます。劣化症状が出てくるとそろそろ塗り替えのサインです。
ここでは外壁塗装の主な劣化症状や、各塗料の耐用年数はどれくらいなのかについてご紹介します。
外壁塗装の主な劣化症状
外壁塗装の劣化症状1:色褪せ
新築や塗りたてのころは色鮮やかで美しい外壁も、年数がたつにつれて色が褪せてきます。
この色褪せも劣化症状であり、劣化の初期段階といえます。
塗料の色は中に含まれる顔料という成分によって作り出されています。
壁が紫外線を浴びることで、顔料の酸化チタンの分子のつながり(結合)が弱くなって劣化が進行していきます。
つまり顔料が劣化することで色褪せが起こります。
特に建物の南側の外壁は日当たりが良いために早く色褪せしていくという傾向があります。
もちろん顔料の成分によっても劣化しやすいかどうかは違ってくるため、日当たりが良い外壁には紫外線に強いものを選ぶことも重要です。
外壁の色が褪せてきたら塗料が劣化し始めているサインですので、そろそろ外壁塗装をご検討ください。
外壁塗装の劣化症状2:チョーキング現象
チョーキング現象は、外壁をさわると手にチョークのような白い粉が付く現象です。
この白い粉は、劣化した顔料です。
塗料の主な成分は、色を付ける顔料、耐久性を決める合成樹脂、あとは塗膜に弾性や艶をもたらす添加物や溶剤類(油性塗料は溶剤、水性塗料は水)です。
樹脂の内部に入っているはずの顔料が粉状になって外に出てしまっているので、それだけ塗料が劣化しているといえます。
チョーキング現象は非常にわかりやすく、ご自分でも確認しやすい劣化症状です。
この現象が発生している場合、合成樹脂も劣化が進行して防水性なども低下しているので、早めに塗り替えを検討してください。
このチョーキング現象の発生を抑えるのがラジカル塗料です。
ラジカル塗料については下記をご参照ください。
外壁塗装の劣化症状3:クラック(ひび割れ)
塗料の劣化が進行してくると、クラック(ひび割れ)が発生してきます。
外壁にひび割れが起こる原因は、経年劣化の他に施工不良や、地震などがありますが劣化によるものが大きな原因です。
ひび割れが幅0.3mm以下であればヘアークラックとよばれる軽微なものでさほど心配はいりません。
しかし放置しているとどんどん広がって大きくなっていくため、注意してください。このレベルのひび割れができているだけであれば部分補修も可能です。
ひび割れのサイズが幅0.3mm以上のものは構造クラックと呼ばれ、すぐに補修が必要です。
外壁に大きめのひび割れが発生していると、そこから雨水が入り込みやすくなり、雨漏りの原因にもなってしまいます。
外壁塗装の劣化症状4:塗装の剥がれや膨れ
塗りたての外壁はしっかりとした塗膜が建物を保護しています。年月とともに塗膜が劣化すると、塗装が剥がれたり、表面に膨れが発生することがあります。
これも劣化症状のひとつであり、外壁の防水性能が低下しているサインです。
塗装が剥がれたり膨れたりする原因としては、紫外線による塗料の劣化が進行したことで、塗料の剥がれが起こります。
塗料の膨れは、下地処理がしっかり行われていなかった、乾燥時間が不十分であったなどの施工不良が原因であることも多く見られます。
またひび割れなどの塗膜の劣化から水分が入り込み、膨れや剥がれを引き起こすことがあります。
塗装の剥がれや膨れを放置すると、外壁材そのものむき出しになってしまい雨に晒されてしまいます。
そうなると塗膜の外壁を保護するという機能が果たせず、外壁本体の劣化や、雨漏りなどの不具合を招く恐れがあります。
塗装の剥がれや膨れは緊急度の高い劣化症状です。放置せずに早めに専門業者に相談し、適切な補修や再塗装を行うことをおすすめします。
外壁塗装の劣化症状5:コケやカビの発生
外壁の表面に緑色のコケや黒ずんだカビが発生することも、塗装の劣化症状のひとつです。
特に日当たりが悪く湿気の多い北側や、雨水が溜まりやすい場所でよく見られます。
塗膜が劣化してくると、汚れを防ぐという機能が低下してきます。また塗料によっては防カビ防藻機能がありますが、こうした機能の低下も避けられません。
そうなるとコケやカビが付着しやすくなります。
湿度が高い環境では、外壁表面に水分が残りやすくなり、カビやコケの発生を助長します。
コケやカビは見た目が悪くなるだけでなく、苔やカビに水分が溜まってどんどん劣化が進行してきます。
こちらも放置せずに早めに再塗装をご検討ください。
苔やカビが生えやすい環境の場合、防カビ・防汚性の高い塗料を使用することで、コケやカビの発生を抑えられますので、再塗装の際に検討してみてください。
外壁塗装の劣化症状6:錆の発生
金属サイディングや、庇、シャッターボックスなどの金属は、最初は塗膜でおおわれていますが、劣化すると錆が発生してきます。
金属部分を保護している塗膜が劣化すると、中の鉄が水が酸素に触れることによって錆が発生します。
錆の原因となる雨水や湿気に意外にも、塩害地域では空気中の塩分が付着することで金属部分を腐食させることがあります。
錆が進行すると腐食が起こり、見た目が悪くなるだけでなく、ボロボロに崩れてしまうこともあります。
特に構造的に重要な部分に錆が発生した場合には、耐久性にも影響が出るため早急な対応が必要です。
防錆効果の高い塗料や適切な下地処理を施すことで、錆の発生を抑えることができます。
外壁塗装の劣化症状7:コーキングの劣化
外壁塗装だけでなく、サイディングなどの隙間を埋めるために使用されるコーキング(シーリング)も劣化していきます。
劣化の原因は主に紫外線によるもので、紫外線はコーキング材を硬化させ、弾力性を失わせるため、ひび割れや剥がれが起こりやすくなります。劣化が進行すると剥離をおこし、コーキング自体が剥がれてきます。
コーキングが劣化すると隙間を埋めるという機能が果たせなくなるので、雨水が建物内部に侵入し、外壁材の腐食やカビ、雨漏りを引き起こす恐れが高まります。
外壁からの雨漏り原因で多いのがこのコーキングの劣化によるものです。
コーキングの耐用年数は7~10年と外壁塗装よりも短くなっています。外壁だけでなくコーキングも劣化がないかどうか定期的に点検するようにしてください。
外壁塗装の劣化の補修方法
以上のような劣化症状が見られた場合には、まずは塗装の専門業者に調査や修理を依頼をしてください。
「劣化症状なのかどうかわからない」「今すぐ塗装が必要なのかわからない」「放置していいのか不安」という場合には、専門家に見てもらうことで安心できます。
劣化の補修方法としては、小さなひび割れなど軽微なものであれば部分補修で対応可能なケースもあります。
しかし塗膜全体が経年劣化しているような場合には塗り替えが必要となります。
また外壁塗装が劣化している場合は大抵にコーキングも劣化しているため、併せて打ち替えなどの補修を行います。
まずは外壁がどんな状態か、無料診断や見積を依頼することをお勧めいたします。
外壁塗装の塗料ごとの耐用年数と費用の目安について
劣化を判断する際に、使用されている塗料の耐用年数も重要な判断材料となります。
外壁塗装の塗料はグレードによって「大体何年くらいもつのか」が決まっています。その年数が近ければそろそろ塗り替えが必要ということになります。
このグレートは、塗料に含まれる合成樹脂の種類によって異なります。
また、塗り替える際にどんな塗料を選ぶかというのもこの耐用年数が重要な要素になります。
耐用年数の長い塗料は長持ちし、トータルの塗り替えの回数を減らすことができますが、その分一回の支出は大きくなります。
ご予算やライフサイクルコストなどを考慮された上で、塗装業者にも意見を聞きながら決められるといいでしょう。
下記は主な塗料の種類と、それぞれの耐用年数、そして費用の目安です。
アクリル塗料
耐用年数: 約5〜7年
費用の目安: 1㎡あたり約1,000円~1,500円
アクリル塗料は透明度が高く色が鮮やかに発色されます。価格が安いですが、耐用年数が短いため、頻繁な塗り替えが必要になります。
水分を通すため外壁よりは室内塗装に多く使用されています。低コストなのでDIYでも使用率が高くなっています。
現在では、コスト優先で選ぶ場合や、短期間の利用を前提とした建物などに用いられることが多いです。
ウレタン塗料
耐用年数: 約8〜10年
費用の目安: 1㎡あたり約1,800円~2,500円
ウレタン塗料はウレタン樹脂を主成分とした塗料で、柔軟性があり伸縮性に優れています。細かい部分にも塗りやすいため、木部や鉄部にも適しています。
しかし、耐用年数が短く、こまめな塗り替えが必要です。
そのため、現在では外壁全体の塗装にはあまり使用されなくなりつつあります。
コストパフォーマンスを重視する方や、部分的な補修には適していますが、長期的なメンテナンス計画を考えるとやや不利と言えるでしょう。
シリコン塗料
耐用年数: 約10〜15年
費用の目安: 1㎡あたり約2,500〜4,000円
シリコン塗料は、耐久性とコストのバランスが取れているため、現在の外壁塗装の主流となっている塗料です。
耐候性が高く、ツヤが長持ちします。また防汚性も備えており、美観を長く保つことができます。
耐用年数の長さやコストパフォーマンスから、多くの住宅で採用されています。初めての塗り替えでも安心して選べる塗料です。
フッ素塗料
耐用年数: 約15〜20年
費用の目安: 1㎡あたり約3,500〜5,500円
フッ素塗料は、耐久性に優れており、メンテナンス頻度を減らしたい場合に適しています。耐候性が非常に高く、長期間にわたり外壁を美しく保つことができます。初期費用は高いですが、塗り替えの頻度を抑えたい人には向いています。
大規模な建物であまり頻繁に塗り替えを行えない公共施設や高層マンションなどで使用されることが多い塗料です。
ラジカル塗料
耐用年数: 約12〜15年
費用の目安: 1㎡あたり約3,000〜4,000円
ラジカル塗料は、使用樹脂ではなく、塗料を劣化させる要因である「ラジカル」の発生を抑制する技術が使用された塗料です。
最近注目されている塗料で、シリコン塗料よりも高い耐候性を持ちながら、フッ素塗料よりもコストを抑えられる点が魅力です。チョーキング現象が起こりにくく、防汚性や光沢(ツヤ)が長持ちします。
比較的新しい技術を採用した塗料であるため、選べる製品の種類が少ないという点はデメリットですが、コストパフォーマンスの良さから、次世代の主流塗料となる可能性があります。
まとめ
外壁塗装は経年劣化によってさまざまな劣化症状が現れてきます。
劣化症状によって緊急度は異なりますが、放置していたら直るということはありません。放置していれば劣化は進行してしまうため、色褪せなど初期の症状であっても経過を観察するようにしてください。
チョーキング現象や剥がれなどわかりやすい劣化症状が出ている場合は、塗り替えのサインとなります。
劣化が見られる場合には、まずは塗装の専門業者に無料点検を依頼して現状を把握するのがおすすめです。
株式会社colorでも無料点検を行ってますのでお気軽にご相談ください!
またどんな塗料で塗り替えを行うかによって耐用年数や塗り替えのサイクル、費用が変わってきます。
弊社では外壁の状態やお客様のご予算、今後のメンテナンスのご希望などに合わせて最適な塗料をご提案いたします。
株式会社colorは職人が直接施工する職人直営店のため、中間マージンなど余分な費用がかかりません。
品質には常にこだわり、妥協せず、お客様のご要望には柔軟に対応いたします。また若さというフットワークの軽さを活かしてお問い合わせには迅速に対応いたします!