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人気のラジカル塗料とは?特徴やメリット・デメリットを解説 

2024/06/07

外壁塗装を行う際には塗料を選ぶところから始めていくのですが、塗料にもさまざまな種類がありますので、外壁に合ったもの、建物に合ったものを選ぶことが重要となります。
そんな塗料の中で最近注目を集めているのが「ラジカル塗料」です。
そこでここでは近年人気となっているラジカル塗料の特徴やメリット、デメリットなどについて紹介していきたいと思います。

ラジカル塗料について

まずはラジカル塗料というものがどういった塗料なのかについて紹介していきます。

ラジカル塗料の概要について

そもそも「ラジカル」というのはメインで使われている主成分のことではなく、ラジカル制御型の酸化チタンを使用している塗料のことを指しています。
「ラジカル」という言葉は塗料を劣化させてしまう要素のことを意味します。
外壁が劣化してくると「チョーキング現象」と呼ばれる現象が起きます。
これは外壁の表面部分にチョークの粉のような白い粉が出てくる現象で外壁がかなり劣化していることのサインとなります。
この白い粉は塗料を製造する際に色をつけるのに必要な酸化チタンに強い紫外線が当たることで発生する現象です。
酸化チタンは塗料に含まれる顔料として重要なものですが、劣化してくるとチョーキング現象を起こす原因となってしまうのです。
そこでチョーキング現象を発生させない「ラジカル制御型酸化チタン」を使用した塗料が開発されました。
それがラジカル塗料です。

ラジカル塗料の仕組みについて

ラジカル塗料は2015年に発売が開始されたものですので、塗料の中でも比較的新しい塗料と言えます。
以前から発売されていた塗料は「アクリル」「シリコン」「ウレタン」「フッ素」という塗料の主成分となる樹脂によって分けられていました。
それに対してラジカル塗料はラジカルという主成分ではなく、アクリル樹脂系のものやシリコン樹脂系のものが主成分となっているものに特殊な成分を配合することによってできているものです。
ラジカル塗料はラジカルを抑制、制御するために高耐候酸化チタン光安定剤と呼ばれる2つの成分を加えられています。
高耐候酸化チタンは「ラジカルバリア」と呼ばれる効果を発揮することで、ラジカルを発生させる成分である酸化チタンを抑制します。
光安定剤は発生したラジカルの発散を抑える効果を持っています。
ラジカル塗料はこの2つの成分が含まれているためにラジカルの発生を抑えて劣化しにくい塗膜を維持することができるのです。

ラジカル塗料のメリットについて

ラジカル塗料は発売から急激に人気となっている塗料です。
ここではそんなラジカル塗料のメリットについて紹介していきます。

コストパフォーマンスが良い

ラジカル塗料は他の塗料と比べて価格はそれほど高くありません。
塗料に含まれている主成分は他の樹脂製のものと変わらないためです。
そのためラジカル塗料は高性能であるにも関わらず、かかる費用はそれほど高くならないことでコストパフォーマンスが高いというメリットとなっています。

とにかく耐久性が高い

ラジカル塗料が販売されるまで比較的耐久性が高いとされてきたシリコン塗料がたいてい10年前後の耐用年数となっています。
しかしラジカル塗料はそれを超える10~15年の耐用年数があるとされています。
このように耐久性が高い、耐用年数が長いというのは大きなメリットと言えます。

チョーキング現象が発生しにくい

これがラジカル塗料の最大のメリットと言えるかもしれません。
ラジカル塗料はチョーキング現象が起きにくいという特徴があります。
紫外線、雨風を受け続けてもラジカルが発生しにくく、劣化が遅いのです。
チョーキング現象が発生しないということで、外壁のひび割れや水漏れ、雨漏りなどを防ぐという働きにもつながります。

長期間光沢が持続する

塗装をした時は光沢があったのに時間が経つとそれが薄くなってくる、くすんでくるということがあります。
しかしラジカル塗料は塗装時の光沢が長期間持続するという特徴があります。
日本ペイントが販売しているラジカル塗料では2500時間を超える耐候性試験を行いましたが、それでも光沢保持率が80%だったと公表されています。
このように光沢が長期間持続するというのは美観の点においても重要な部分だと言えます。

防汚、防カビ、防藻などの機能が優秀である

ラジカル塗料は親水化技術に優れており基本性能が高いものとなっています。
そのため防汚・防カビ・防藻効果が高くなっており、外壁を長期間にわたって守ってくれるという機能があります。
塗料がしっかりと機能を果たしているうちはなかなか外壁は傷まないため、性能が高いラジカル塗料は外壁を保護してくれる塗料として非常に優秀だと言えます。

仕上がりが美しくなる

ラジカル塗料は塗料の伸びが良く、職人が作業する際にも塗りやすいという特徴があります。
職人が扱いやすいということは作業効率も上がりますし、仕上がりも美しくなりやすいというメリットがあります。
性能だけでなく美観にも影響してくると言えるでしょう。

ラジカル塗料のデメリットについて

性能が高く、これからさらに人気となっていくことが予想されているラジカル塗料ですが、いくつかのデメリットもあります。
ここではそれらのデメリットを紹介していきます。

濃色にしにくい

ラジカル塗料の主成分である「ラジカル制御型酸化チタン」は白色顔料を調色するために使用する素材であるために濃色を作るのが難しいという傾向があります。
どうしてもホワイト、クリーム、アイボリーといった柔らかい淡色が中心となってしまい、重厚感があるブラック、ブラウンという色は選ぶことができません。
無理に調色して濃色を作り出したとしてもシンプルなホワイトやアイボリーなどよりも耐久性が低くなってしまう場合があります。
どうしても濃色の塗料を使いたいという場合にはラジカル塗料を使うのはおすすめできません。
この場合は素直に他の濃色がある塗料を選ぶのが良いでしょう。

選べる製品がまだまだ少ない

他の塗料は販売されている期間が長いために多くの製品が発売されているということがありますが、ラジカル塗料は歴史が短いために製品の種類はまだまだ少なくなっています。
ここではそれらの中でも代表的な人気の3つの製品を紹介します。

・パーフェクトトップ(日本ペイント)


ラジカル塗料の中でももっとも知名度が高く、幅広く使用されている塗料です。
最初に販売されたラジカル塗料でもあり、一般的な製品だと言えるでしょう。
普通のシリコン系塗料を超える耐久性があるとされており、耐用年数も15年前後と長くなっています。
また、「ポリマーハイブリッド効果」によって光沢性も高く、塗りやすさ、扱いやすさに関しても優秀です。
「ツヤ消し」「3分ツヤ」「5分ツヤ」「ツヤあり」の4種類が販売されています。

・エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)


こちらは塗料メーカーとして国内1位のシェアを誇っているエスケー化研が販売しているラジカル塗料となっています。
シリコン樹脂を主成分としており、高い耐候性を持っています。
性能が高いことも評判となっているのですが、それは「高緻密無機シールド層」「高緻密有機シールド層」という2つの層でラジカルの発生を抑制し、「ハイブリットシリコン樹脂」が発生したラジカルを抑えるという機能によって成り立っています。
こうした機能によって劣化を防いでいるのです。
防汚、防カビの性能も高くなっており、基本性能が高い塗料だと言えます。
「ツヤあり」「5分ツヤ」「3分ツヤ」の3種類が販売されています。

・アレスダイナミックTOP(関西ペイント)


こちらは地域や季節によって特に優秀な塗料となる製品です。
それは下・中塗材「アレスダイナミックフィラー」と「ダイナミック強化剤」とを組み合わせて使用することによって付着力を高めることが可能となっているためです。
雨がよく降る地域、湿度が高い地域で塗装を行う際にもっとも効果を発揮すると言えます。
また、高い耐候性も特徴と言えます。

使用実績が少なく、扱っていない業者もある

2015年に登場してからまだまだ使用実績が不足しているというのがデメリットとなっています。
もちろん販売メーカーは試験、テストを繰り返した上で販売をしているのですが、実際に使用されての実績は圧倒的に不足しているのです。
こうした使用実績の少なさから、積極的に取り扱わないという業者もまだまだあります。
外壁塗装を依頼する業者がラジカル塗料を扱っているかどうかは事前に問い合わせておいた確実と言えるかもしれません。

業者によっては扱っていない、扱ったことがないということもあります。
ラジカル塗料の性能が高いのは間違いありませんが、せっかくのその塗料も扱ったことがない業者が使用する際には性能を最大限に発揮できるかどうかはわかりません。
仕事を依頼する際には、その業者自体の知識や技術、実績、評判を調べることはもちろんですが、「ラジカル塗料の使用実績があるか」ということについても調べた方が良いでしょう。

まとめ

ラジカル塗料について紹介してきました。
ラジカル塗料は2015年に発売が開始された塗料であり、ラジカル制御型酸化チタンが使用されていることで塗膜の劣化を防ぐことが可能な塗料となっています。
高い耐久性、長い耐用年数を持つ高性能な塗料ですが、知名度が低い、使用実績が少ないというデメリットもあります。
こうしたデメリットのため、扱っていない業者もまだまだ多くあります。
しかし、高性能であるのは間違いありませんので、これから使用実績が重ねられるとともにさらに人気も高まっていくことが予想される塗料だと言えます。
これから外壁塗装を考えている人はぜひラジカル塗料の使用を考えてみるのをおすすめします!

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