意外と知らない?外壁塗装で使われるローラー・刷毛・スプレーの違い
2025/06/17
外壁塗装と聞くと、どんなイメージを持ちますか?多くの方は、足場を組んで職人がローラーでコロコロと塗っている姿を思い浮かべるかもしれません。実際の塗装現場では、「ローラー」「刷毛」「スプレー」など、さまざまな塗装道具が使い分けられています。
それぞれの塗装道具には得意分野があり、適材適所で使い分けることで仕上がりや耐久性にも大きな差が出ます。この記事では、外壁塗装で使われる主要な道具の特徴や違い、適した使用場面について分かりやすく解説していきます。
外壁塗装に使われる主な塗装道具
まずは、外壁塗装でよく使われる3つの道具の概要を見てみましょう。
✅ローラー
最も一般的に使われる塗装道具で、壁面にムラなく塗料をのせやすいのが特徴です。ローラーのサイズや毛の長さを変えることで、さまざまな仕上がりに対応できます。
✅刷毛(はけ)
細かい部分や入り組んだ形状の場所に使用されます。ローラーでは届かない隙間や、縁、凹凸のあるモールなどの仕上げに最適です。
✅スプレー
専用の塗装機で塗料を霧状にして吹きつける方法です。広範囲を短時間で塗装できるため、効率が高い反面、養生や施工環境に注意が必要です。
それぞれの塗装道具の特徴と違い
外壁塗装に使われる道具は、「どれを使っても同じ」ではありません。それぞれの道具には特性があり、建物の形状、素材、塗料の種類、仕上げの希望によって適切に選ばれます。この章では、代表的な3つの塗装道具(ローラー・刷毛・スプレー)の特徴や向き・不向きを詳しく見ていきましょう。
ローラー塗装の特徴
【メリット】 飛散が少なく、広い面積に均一な仕上がりを実現
【デメリット】 細かな部分への塗装には不向きで、際や隙間は別途対応が必要
【適した用途】 一戸建て住宅の外壁全体、モルタル・窯業系サイディングなどの平面・やや凹凸のある壁
ローラーは、外壁塗装における最もスタンダードな道具であり、施工の効率性と仕上がりのバランスが非常に高いのが特徴です。ローラーには「毛の長さ(中毛・長毛など)」があり、それによって塗料の含み方や、外壁との密着具合が変わってきます。
たとえば、モルタルのように表面に細かい凹凸がある素材には長毛ローラーを使用し、塗りムラを防ぎながら厚みのある仕上がりに。また、サイディングのような比較的平滑な外壁には中毛や短毛ローラーを用いて、均一な塗膜を形成します。
またローラーは、塗料の飛散が非常に少ないため、住宅密集地や車・植栽が近い場所でも比較的安全に使用できます。養生(マスキング)作業の負担も軽く済むのが大きな利点です。
刷毛塗装の特徴
【メリット】 狭い隙間や細かな部分にも正確に塗れる。塗料の量や厚みを自在に調整できる
【デメリット】 広い面積を塗るのには時間がかかり、労力も必要
【適した用途】 サッシ・配管の周り、軒天・破風・雨樋の細部、デザインモールなどの装飾部
刷毛は、最も繊細でコントロール性の高い道具として、細部の仕上げや際(きわ)の処理に欠かせません。特に、ローラーでは入り込めない場所や、縁の部分を美しく仕上げるために使用されます。
また、刷毛は素材によって「筋違刷毛」「寸胴刷毛」など複数の種類があり、塗料の粘度や用途によって選ばれます。例えば、塗料が垂れやすい箇所や、縦に長いラインを描く必要がある場合には、幅が狭く長い刷毛を使用することで、ムラのない仕上げが可能になります。
見た目には地味ですが、塗装の“完成度”を決定づける重要な工程に使われるのが刷毛塗装です。経験豊富な職人でなければ、塗りムラやはみ出しが起きやすいため、スキルの差が如実に現れる道具でもあります。
スプレー塗装の特徴
【メリット】 非常に高速で広範囲を均一に塗装できる。美しい平滑な仕上がりが可能
【デメリット】 飛散が多く、風の影響を受けやすいため屋外施工には制限がある。養生作業に時間がかかる
【適した用途】 工場・倉庫などの大面積塗装、鉄部、室内塗装、屋根の下塗り(錆止め)など
スプレー塗装は、「塗料を圧縮空気で霧状にして吹き付ける」方式で、短時間で美しい塗膜が得られるのが大きな魅力です。工場などの鉄骨構造物や、平滑な外壁に非常に適しており、光沢感のあるフラットな仕上がりを求める場合には非常に効果的です。
ただし、住宅の外壁塗装においては、飛散による周辺住宅や車両への影響、風による施工リスクを考慮し、あまり使われません。施工には高い養生技術と環境管理が求められるため、一般住宅の現場では限定的な使用にとどまることが多いのが実情です。
また、スプレー塗装では塗料の使用量が増える傾向があり、施工管理を誤ると薄塗りや乾燥不良に繋がるリスクもあるため、職人の経験や設備のメンテナンスも重要な要素となります。
実際の現場での使い分け方
外壁塗装の現場では、ローラー・刷毛・スプレーのいずれか1つだけを使うということは、ほぼありません。建物の形状、外壁材の種類、使用する塗料の性質、そして施主様の仕上がりに対する希望に応じて、複数の道具を状況に応じて柔軟に組み合わせるのがプロのやり方です。
外壁の広い面 → ローラー塗装
外壁の大部分はローラーを使って塗装されます。これは、塗りムラが起きにくく、飛散も少ないため住宅地に適しているからです。外壁材の凹凸や塗料の種類に応じて、ローラーの毛足の長さや種類も変えながら施工されます。
サッシや窓枠の際・細かい部分 → 刷毛塗装
窓やドアまわり、軒裏、雨樋の付け根など、細かくてローラーが届かない場所には刷毛を使用します。また、境界線をキレイに出したい部分も刷毛で丁寧に塗ることで、見た目の仕上がりが格段に美しくなるのです。特にお客様の目が届きやすい玄関周りでは、刷毛塗装による丁寧な仕上げが重要です。
下塗りや鉄部の錆止め → スプレー or 刷毛
金属部分の下塗り(錆止め)には、スプレーを使って短時間で広範囲を均一に処理する場合と、凹凸の多い部位には刷毛でしっかりと塗り込む方法が採用されます。特に門扉や鉄骨階段、雨戸などの鉄部には、塗料の密着性と防錆効果を最大限に引き出すための塗装方法が重要になります。
短期間で仕上げる必要がある大規模物件 → スプレー+ローラー併用
マンションの共用部や工場・倉庫などの大規模な現場では、スピードと効率を重視するため、スプレーとローラーを併用することもあります。たとえば、平面部分はスプレーで一気に塗り上げ、細部はローラーや刷毛で丁寧に仕上げることで、品質と工期のバランスを取っています。
道具の選び方は“品質”に直結する
使用する塗装道具は、単なる「塗るための道具」ではなく、施工の仕上がりや耐久性、施工スピード、周囲への配慮など、あらゆる要素に影響を与えます。そのため、株式会社colorでは、建物の構造や劣化状況、塗料の特性などを総合的に判断したうえで、最適な施工方法をご提案しています。
「どの道具を使ったか」ではなく、「どう使い分けて、どのように仕上げたか」が、仕上がりの差を生む。それが、職人の経験と知識が生きる外壁塗装の本質です。
道具選び=業者選びの目安にもなる
どんな塗装道具を使うかは、実は業者ごとの考え方や施工品質を見極める手がかりにもなります。単にローラーか刷毛かという問題ではなく、以下のような点を確認することで、その業者が“どれだけ真摯に施工に向き合っているか”が見えてくるのです。
✅見積書に「使用する施工方法・工程」が具体的に記載されているか
たとえば「下塗り:シーラー(ローラー)/上塗り:2回(刷毛・ローラー併用)」など、道具や塗り回数が明記されていれば、信頼度が高いと言えます。
✅実際に使う道具や施工法を口頭で説明してくれるか
「どんな道具を使うか」「なぜその方法なのか」などを丁寧に説明できる業者は、現場の経験と顧客目線の対応力を兼ね備えています。
✅施工後の写真や実績で、細部の仕上がりまでチェックできるか
サッシ周りや配管の塗りムラ、塗り残しがないかなど、細部にまで配慮が行き届いている業者は、道具の使い分けも丁寧です。
こうした点を踏まえれば、「どんな道具を使うか」は、ただの技術的な選択ではなく、業者の誠実さや丁寧さの“現れ”とも言えるのです。
業者選びの際には、塗料だけでなく「道具や施工法にも注目」してみましょう。
株式会社colorが大切にしていること
長野県松本市を拠点とする株式会社colorでは、お客様が安心して塗装工事を任せられるよう、「見えない部分まで伝えること」を大切にしています。
当社には一級塗装技能士が在籍しており、建物の構造や劣化状況をふまえた最適な方法をプロの目線で判断し、施工の一つひとつに責任を持って対応しています。また、現場ごとに最適な塗装方法・道具を選定し、外壁はローラーで厚みを持たせ、細部は刷毛で丁寧に仕上げる、金属部はスプレーを併用して密着性を確保するなど、塗料や部位に合わせた使い分けを行っています。
さらに、現地調査や見積もりの際には、「この塗料にはこのローラーが合います」「ここは刷毛を使って丁寧に仕上げます」と、道具の選定理由まで”見える化”することで、納得してご依頼いただけるよう努めています。
株式会社colorが目指すのは、「仕上がりの美しさ」だけでなく、「過程の安心」も提供する塗装工事。はじめての外壁塗装でも、どうぞ安心してご相談ください。お客様との信頼関係を大切に、丁寧な仕事をお約束します。
まとめ
外壁塗装に使われる道具は、単なる作業の道具ではなく、塗装の品質を左右する重要な要素です。それぞれの道具には得意な用途があり、建物の状態や塗料の種類に合わせて適切に使い分けることで、仕上がりの美しさと耐久性に大きな差が生まれます。
・ローラー:外壁塗装の基本。均一な塗膜が得られ、住宅の広い面に最適
・刷毛:細部や複雑な形状にも対応できる、丁寧な仕上げの要
・スプレー:スピード重視の現場や金属部など、特殊用途に適した工法
こうした道具の選び方ひとつにも、業者の経験と誠実さが表れます。
「どんな道具で、どんなふうに塗るのか」がきちんと説明できる業者を選ぶことが、後悔しない外壁塗装の第一歩です。
松本市で外壁塗装をご検討中の方は、地域密着で信頼と実績を重ねてきた株式会社colorにぜひご相談ください。
道具選びから工程のすべてを“見える化”し、納得と安心をお届けします。
現地調査・お見積もりはすべて無料。初めての方もお気軽にお問い合わせください。