外壁塗装の前にやるべき近隣への挨拶マナーと注意点とは?
2025/05/23
「外壁塗装って、自分の家の工事なのに、なんでご近所に挨拶が必要なの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
たしかに、外壁塗装は家を守るための大切なメンテナンスですが、実際には足場の設置、作業中の音や塗料のにおいなど、周囲のお宅にも影響を及ぼす工事です。だからこそ、事前にご近所へ一言伝えておくことが、気持ちの良い工事の第一歩になります。
この記事では、「いつ・どこまで挨拶するべき?」「何を伝えればいいの?」といった疑問にお応えしながら、外壁塗装の前にやっておきたい近隣挨拶のマナーと注意点を分かりやすく解説していきます。
「初めての塗装工事で不安…」という方も、この記事を読めば、安心してご近所対応に臨めるはずです。
なぜ外壁塗装で「近隣挨拶」が重要なのか
外壁塗装は屋外で行われるため、近隣住民にとっても無関係ではありません。工事に伴う音や振動、塗料のにおい、作業員の出入りなどが、生活に少なからず影響を与えるからです。
例えば、騒音に敏感な方、小さなお子様やペットがいるご家庭では、何も知らされずに突然工事が始まれば、不安や不満が募るのも無理はありません。
事前に工事内容や期間を伝えておくだけで、相手の心構えができ、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。挨拶は「配慮ある施主」という印象を与え、今後のご近所付き合いにも好影響をもたらします。
いつ・どの範囲まで挨拶するべき?
外壁塗装にともなう挨拶は、単なる「儀礼」ではありません。工事によって少なからず影響を受ける可能性のある近隣の方々へ、誠意と配慮を示す大切なコミュニケーションです。
適切なタイミング・範囲・対応方法を知っておくことで、余計なトラブルを未然に防ぎ、安心して工事を進めることができます。
挨拶のタイミング
外壁塗装のご挨拶は、工事開始の1週間前〜3日前までには済ませておくのが理想的です。
早すぎると相手が忘れてしまう可能性があり、逆に直前だと「今さら言われても困る」「予定を変えられない」といった不満につながることがあります。1週間前に声をかけ、その後直前にもう一度「明日から工事が始まります」とひと言加えると、より丁寧な印象になります。
また、週末や祝日は不在の方も多いため、できれば平日の夕方(17〜19時頃)がベストタイミングです。どうしても直接会えない場合は、手紙や案内状をポストに入れておくのも一つの手段です。
挨拶すべき範囲
「うちの工事だから、隣だけ挨拶しておけば大丈夫」と考えがちですが、実際には足場の設置や高圧洗浄の水はね、塗料のにおいなどで想像以上に広い範囲へ影響が及ぶことがあります。
そのため、一般的には以下のエリアを目安に挨拶するのが望ましいとされています。
・両隣(左右)
・向かい側3軒(道路を挟んだ正面)
・裏手の3軒(敷地の背後に接する家屋)
特に住宅密集地では、目に見えない“におい”や“音”のトラブルが起こりやすく、実際に塗装がかからない家であっても影響を感じることがあります。塗料の臭気が風で流れてきたり、高圧洗浄の音が思った以上に響いたりするケースは少なくありません。
また、道路の使用・業者車両の出入りがある場合、少し離れた家でも駐車や通行に影響が出る可能性があるため、範囲を広めに取って挨拶しておくと安心です。
集合住宅や賃貸物件の場合は?
アパートやマンションなどの集合住宅の場合は、まず管理会社やオーナー(大家さん)への報告が最優先です。バルコニーや共有部分を使用する可能性がある場合、管理規約に則って工事申請が必要になることもあります。
また、同じ建物内の隣室・上下階の住人には、塗装のにおいや足場設置の振動音が届く可能性があるため、丁寧な説明と配慮を心がけましょう。
誰が挨拶に行くべき?
「業者がやってくれるから、自分は挨拶に行かなくてもいい」と思う方もいるかもしれませんが、施主ご本人が直接伺うことが、何よりの誠意を伝える方法です。
実際に顔を見て説明することで、相手に安心感が生まれ、「何かあったらすぐ言ってくださいね」といった一言が、工事中の信頼関係を築くきっかけになります。
もちろん、時間的に難しい方や不在が続くお宅の場合は、以下のような方法で補うこともできます。
・✅挨拶文(案内状)の配布
→ 日時・作業内容・連絡先などを簡潔に記載した紙を投函
・✅粗品の準備
→ タオルや洗剤など実用的なものがおすすめ。高価である必要はありません。
・✅業者との連携
→ 「業者が説明に行ってくれるから安心」という方も多いですが、可能なら施主と業者の二人で訪問するのがベストです。
挨拶時に伝えるべきポイント
挨拶の際には、ただ「工事をします」と伝えるだけでは不十分です。相手が安心できるよう、以下の情報を具体的に伝えましょう。
・工事の開始日と終了予定日
・作業時間(例:9:00〜17:00)
・工事内容(足場設置・高圧洗浄・塗装・防水など)
・発生する可能性のある迷惑(音・におい・振動など)
・車両の出入りや駐車場所の影響
・緊急連絡先(業者と施主の両方が望ましい)
文書にして渡す場合は、簡潔にまとめ、粗品(タオルや洗剤など実用的なもの)を添えるとより丁寧な印象になります。
実際にあった近隣トラブルとその原因
外壁塗装において、「ご近所トラブル」は決して他人事ではありません。工事そのものは問題なくても、近隣への配慮不足や説明不足によって生じる不満や誤解が、関係を悪化させるケースが多く見られます。
以下に、実際によくあるトラブルとその背景を具体的にご紹介します。
「塗料のにおいで窓を開けられなかった」
塗装作業中に発生するシンナーなどのにおいは、特に溶剤系塗料を使用する際に避けられない問題です。風向きによっては、離れたお宅にまでにおいが流れることもあり、「洗濯物ににおいが移った」「頭が痛くなった」といった体調不良を訴えるケースもあります。
原因:事前に「においが出る可能性」を伝えていなかったこと。
「塗装中は窓を閉めていただくようお願いします」と一言伝えておけば、事前に対処してもらうことができたはずです。
「高圧洗浄の水しぶきで洗濯物が濡れた」
外壁塗装の前には、カビや汚れを落とすために高圧洗浄作業が行われます。水圧は非常に強く、わずかな隙間や足場の隙間から水しぶきが飛ぶことがあります。「洗濯物が濡れた」だけでなく、「壁に水が当たる音がうるさかった」との声も。
原因:洗浄日を知らせておらず、洗濯物を干していたお宅が被害を受けた。
洗浄の日時を伝えておけば、干すタイミングをずらしてもらえたかもしれません。特に共働き世帯など日中家にいない家庭ほど要注意です。
「足場の設置で駐車スペースがふさがれた」
道路に近い家や、車が多く停まるエリアでは、足場の設置や業者車両の出入りが一時的に通行や駐車に影響を及ぼすことがあります。中には「知らずに帰宅したら駐車できなかった」という事態も。
原因:足場や作業車の配置について説明がなかった。
一時的でも「〇月〇日だけ、〇時〜〇時頃は車の出入りにご注意ください」と伝えておけば、不快感を防ぐことができます。
「作業員の話し声やラジオの音が気になる」
住宅密集地では、日中でも室内で仕事をしている方や、赤ちゃんの昼寝時間に神経質になるご家庭もあります。そんな中、作業員の大きな話し声やラジオの音が気になるという声が意外と多く挙がっています。
原因:工事による音の可能性を一切伝えていなかった。
「ご迷惑をおかけすることがあるかもしれません」とひとこと伝えていれば、印象は大きく違っていたでしょう。
一言があれば防げたことばかり
こうした事例の多くは、工事の内容やスケジュールを事前に共有していれば防げたものです。
たった一言でも、「教えてくれてありがとう」という気持ちになるのがご近所付き合い。逆に、何も伝えられていないと、「こちらへの配慮がない」「感じが悪い」と受け取られてしまい、たとえ丁寧な施工をしていても苦情が入ってしまうという不本意な結果に繋がりかねません。
トラブルが起きた後では修復が難しい
一度悪印象を持たれてしまうと、その後の関係修復には時間と労力がかかります。場合によっては、施工業者では対応しきれないクレームに発展し、施主自身が矢面に立たされるケースも。
だからこそ、外壁塗装を行う前には、「工事内容だけでなく、まわりへの配慮も含めて準備する」ことがとても重要なのです。
挨拶での印象が工事後にも影響する
外壁塗装は数日〜数週間かかる工事であるため、工事期間中のご近所との関係性は、生活の快適さに直結します。最初の印象が良ければ、音やにおいが出ても「ちゃんと説明してくれたし、仕方ないよね」と理解してもらいやすくなります。
逆に、何の説明もなく突然工事が始まれば、どんなに丁寧に施工していても「迷惑な家」という印象を持たれてしまいかねません。
また、工事が終わったあともご近所付き合いは続きます。だからこそ、「始まりと終わりの挨拶」を大切にし、人間関係もスムーズに保つ意識が求められます。
まとめ
外壁塗装は、家を美しく守るための大切な工事ですが、それと同じくらい大切なのが、ご近所との関係を丁寧に育むことです。工事の音やにおい、足場の出入りなど、少なからず周囲の生活に影響があるからこそ、最初の「ひと言」が、その後の印象を大きく左右します。
挨拶をしたからといってすべてのトラブルが防げるとは限りませんが、していなかったことによる後悔は、きっと残ります。だからこそ、ほんの少しの気配りと誠意を伝える時間を、大切にしたいものです。
株式会社colorでは、外壁塗装の品質だけでなく、ご近所への対応まで含めて“安心して任せられる工事”を目指しています。松本市での外壁塗装をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの「塗ってよかった」を、まわりの人にも感じてもらえるよう、心を込めてサポートいたします。
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