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ベランダやバルコニーの防水塗装の必要性と雨漏りのリスクについて

2024/05/06

ベランダやバルコニーは建物の中でも外に面しているということもあり、雨や風などの影響を受けやすいだけでなく、晴れている日には紫外線のダメージも受け箇所となっています。
そのために劣化もしやすく、適切にメンテナンスをしていないと雨漏りにつながることも多い場所です。
雨漏りというと屋根が原因となるイメージが強いかもしれませんが、ベランダが原因で雨漏りが発生することも実はよくあります。
そこでここではベランダの防水塗装の必要性、雨漏りのリスク、メンテナンス方法などについてご紹介します。

ベランダとバルコニーの違い

「ベランダ」と「バルコニー」という言葉は日常的に使われますが、実際には少し異なる意味を持ちます。

ベランダは階数には関係なく建物から外に張り出しており、屋根がついていて壁や手摺に囲まれているスペースを指します。

バルコニーは、ベランダと同じく建物から外に張り出していますが、2階以上に設置されており、屋根はついていません。一階に設置されたものは「テラス」と呼びます。
上に屋根がついているバルコニーが「インナーバルコニー」、下の階の屋根部分に設置されたバルコニーが「ルーフバルコニー」となります。

周りに壁や手摺、屋根があることもありますが、いずれも家の外部に設置されるため、雨風や紫外線の影響を直接受ける場所であり、適切な防水対策が求められます。

ベランダやバルコニーの雨漏りの原因

防水層の劣化

ベランダやバルコニーの表面には雨を通さないように防水層が施されています。

防水層の表面はトップコートで保護されていますが、紫外線や、重い荷物を置いていると傷がついたり、また人が行き来することで少しずつ表面が摩耗して劣化していきます。

こうした劣化要因によってまずは表面のトップコートがひび割れなどの劣化症状を起こします。
下の防水層は紫外線に弱いため、トップコートがひび割れや剥がれを起こすと防水層そのものも劣化が進んで、防水機能が低下して雨漏りを起こします。

ベランダやバルコニーのすぐ下の階から雨漏りが発生している場合には、上のベランダやバルコニーが原因である場合がほとんどです。

防水層は使用環境や防水工事の種類にもよりますが、一般的に10~12年で性能が低下します。
表面のトップコートの劣化のみであれば、トップコートの塗り替えで対処できますが、防水層自体が劣化している場合には、防水層からのやり替え工事が必要です。

笠木の劣化

笠木とは、ベランダやバルコニーの手すりや縁の上部に設置されている部材です。

素材としては、木材やセメント、金属など様々な種類があります。
この笠木が劣化すると、隙間から雨水が浸入して雨漏りを起こす可能性が高くなります。
笠木が原因で起こる雨漏りは発生率が高く、なかなか気が付きにくい雨漏り原因箇所でもあります。

笠木からの雨漏りの原因としては、金属製の笠木板金の錆や、笠木の継ぎ目を充填しているコーキング劣化、釘穴からの漏水など様々です。
施工不良によって内部に湿気が溜まり笠木の内部で腐食を起こすこともあります。

笠木から侵入した雨水は下地材を腐食させ、さらに下に伝ってベランダやバルコニーの外壁や、下にある軒天などに表れてきます。
壁内を移動する雨漏りは発生から発覚まで時間がかかることもあり、気づいたら壁が腐食していたということもあります。
笠木のコーキングが劣化していないか、錆がでていないかなど数年に一度は笠木の状態も点検を行うことで早めに劣化に気付くことができます。

▷参考記事:ベランダやバルコニーの笠木から雨漏り!その原因と修理方法

排水溝(ドレン)の詰まり

ベランダやバルコニーには排水溝(ドレン)が設置されており、雨水を効率的に排水する役割を果たしています。
この排水溝が詰まると、雨水が滞留し、漏水の原因になります。

つまりの原因としては、落ち葉やゴミ、砂、土の蓄積や排水溝内の汚れや泥の堆積などが挙げられます。
排水溝が詰まると排水不良を起こして水がベランダやバルコニーの床に溜まってしまい、防水層を傷める原因となります。
またトップコートや防水層が劣化していると、水が下に浸透して雨漏りを起こします。

排水溝に詰まりがないかどうか定期的に確認して掃除をしておくと雨漏りの予防になります。
特に台風の後などは落ち葉によって詰まりやすくなります。また大雨の後には水はけの状態が良好かどうかも確認しておくと安心です。

ベランダの雨漏りを防ぐ防水工事の種類

トップコート防水

ベランダやバルコニーの表面はトップコートによって覆われることで保護されており、普段は防水層が目に触れることはありません。
トップコートが紫外線や雨などによって劣化してくると、防水層を保護するという機能が低下してしまいます。
表面にひび割れや剥がれなどが起こっていると劣化しているサインです。

トップコートの耐用年数は約5年ですので、定期的に塗り替えることで保護機能を維持し、雨漏りを防ぐことが可能です。
防水工事を行うよりも比較的低コストで定期的なメンテナンスが可能です。

FRP防水

ガラス繊維を含む強化プラスチックを使用した防水工法です。
シート状のガラスマットを床面に敷いて、そこに液体状のポリエステル樹脂を流して硬化させて防水層を作ります。最後にトップコートを塗って仕上げます。
強度が高くて、軽量で耐久性があることがFRP防水のメリットです。他にも硬化が早いため工期が短い(約1~2日)点もメリットです。
しかしウレタン防水と比較して費用がやや高めで、硬化後の柔軟性が低いため割れやすいという点がデメリットです。
FRP防水に使用するポリエステル樹脂がスチレンという独特の臭気を放つ物質を含むため臭いが出てしまいます。

ウレタン防水も同様ですが、トップコートが5~7年で劣化するため定期的な塗り替えが必要です。

FRP防水の施工単価は、4000~8000円/㎡。耐用年数は約12~15年です。

ウレタン防水

液状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成する工法です。床面の素材を選ばずに施工が可能です。
複雑な形状にも対応可能で、FRP防水に比べると低価格で施工できるため費用対効果が高いのが特徴です。
デメリットとしてはFRP防水よりも工程が多く硬化に時間がかかるため、工期が長め(3~4日)にかかることです。またFRP防水よりも耐用年数が短いため早めのメンテナンスが必要です。
ウレタン防水ではウレタン樹脂をシンナーで希釈するためシンナー臭がします。

施工単価は、3000~7500円/㎡。耐用年数は約10~13年です。
こちらも定期的なトップコート塗装が必要です。

ベランダ部分が原因となって雨漏りが発生した場合の対処法について

ではベランダ部分が原因となって雨漏りが発生した場合にはどういった対応をしていけば良いでしょうか。
ここではその対処法について紹介していきます。

まずはできる限りの応急処置を行う

雨漏りが発生した時には被害の拡大を防ぐために、まずは応急処置を行ってください。
水が漏れている場所の下にバケツを置く、タオルなどを設置して水を吸収するなど雨水が床などに広がらないような措置をとってください。また近くにある家電に水がかからないようにビニールシートやレジャーシートをかぶせておきましょう。
もしも大量の雨漏りが発生しているときは、配線がショートを起こすことを避けるためにブレーカーを落として電気は点灯しないようにしてください。

DIYでの補修はおすすめできません

今では色々な動画が出ていますが、DIYでの雨漏り修理はおすすめできません。
コーキングの劣化を見つけて補修にされるにしても、そこだけが雨漏り箇所とは限らない上に、全体の水の流れや原因を把握しないままコーキングを行ってしまうと雨漏りが悪化する恐れもあります。

もしも内部で腐食が起こっている場合、DIYで処理して放置していると、内部の腐食が進行してシロアリが発生したり、建物を支える構造材まで腐食して高額な費用がかかってしまったというケースもあります。

雨漏りの原因や現状を正しく把握するためにも、雨漏りを発見されたら専門業者に依頼してください。

専門業者に修理を依頼する

雨漏りが発生した場合は、早急に専門業者へ連絡しましょう。
雨漏りの修理でもっとも重要なのは、原因を的確に突き止めることです。
その上で適切な防水工事などの補修を行うことで、さらなる被害を防ぎ、安心して生活できる環境を取り戻せます。

まとめ

ベランダは建物の中でも外部分に配置されており、雨水や紫外線を強く受けることによって劣化しやすい部位でもあります。
特に床面部分である防水層が劣化することで雨漏りが発生することが多くありますので、防水層の防水メンテナンスを行うことが重要だと言えます。

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