塗装工事における木部塗装とは？内装木部にも塗装が必要？
2024/06/07
「塗装工事」というと「外壁塗装」「屋根塗装」というイメージが強く、瓦屋根やスレート屋根、サイディングボードやモルタル外壁などに塗装を行うというイメージが強いかもしれません。
屋根や外壁といった外側部分には木材の建材はあまり使われていないため、「木部塗装」は重要性が低いと思われがちです。
しかし実際には塗装工事を行う時には木部塗装も重要な作業工程となります。
そこでここでは塗装工事における木部塗装について紹介していきたいと思います。
木材の特徴とは
木部塗装を行う際には外壁塗装よりも注意しなければならない点があると言われています。
それは木材特有の特徴が関係しています。
この木材の持つ特徴を理解していなければ適切に木部塗装を行うことはできません。
そこでここでは木材の特徴について紹介していきます。
木材は湿度調整作用を持っている
木材は湿度が高い時は湿気を吸い込み、湿度が低い時は湿気を吐き出すという湿度調整作用を持っています。
この機能を持っているために水分が大きすぎて腐食するということや乾燥しすぎてひび割れするということを防ぐことができているのです。、
このように湿気を吸い込んだり、吐き出したりしているために木材がわずかに膨張と収縮を繰り返しているのです。
木材の膨張や収縮によって木部塗装がひび割れしたり、剥がれたりするということにつながっています。
腐食しやすい
木材は天然の素材ですので、細菌によって腐食していきます。
建物で使われる木材には腐食防止対策はされていますが、それでもセメントなどと比べると腐食しやすい材料だと言えます。
腐食を防ぐために薬剤が使用されていたり塗料が塗られていたりするのですが、やはり経年劣化とともに機能は低下していきます。
そのため、定期的に塗装メンテナンスを行うことが重要だと言えるのです。
適切に塗装メンテナンスを行うことで長期間腐食を防ぐことができるでしょう。
木目ならではの温かみ
木材はセメント、コンクリートと違うのはやはり天然素材ならではの温かみがある点です。
木材が持っている温かみによって心が癒されるということが多く、その温かみを求めて内装に木材を使うということが多くあります。
これは木材ならではの特徴だと言えるでしょう。
木材の塗装について
木部塗装では大きく分けると2種類の塗料が使用されています。
それぞれに特徴が違っていますので、うまく使い分けていくようにしましょう。
造膜型塗料の特徴について
一般的に外壁塗装で多く使われているのがこちらのタイプの塗料です。
木部塗装の場合も表面にべた塗りしていくことで塗膜を作るものです。
こちらは木材の表面に塗膜を作るため手で直接触った際に木材の感触がなくなるというデメリットがあります。
また、木目も塗膜で覆われているために活かしにくいということもあります。
しかしカラーバリエーションが豊富ということもあって「仕上がりの色」「艶の量」などを調整できるという強みもあります。
何よりもこちらの長所としては塗膜がしっかりと木材の表面を保護するという仕上がりとなるため耐久性や耐水性が高くなるということがあります。
耐水性が高いというメリットがあるため、外部塗装にも多く使用されています。
破風、軒天、鼻隠しなどの外装塗装で使用されているのはやはり強い保護力が期待されてのことだと言えるでしょう。
浸透型塗料の特徴について
こちらは塗料を木材に浸み込ませて浸透させていくことで木材の内側から保護していくのが浸透型の塗料です。
浸透型の塗料は木材の内部に塗料を浸み込ませていくために表面に塗料の色が付くということがなく、木目をそのまま活かせます。
また、木材の手触りもそのままで木の温かみを強く感じることができるようになっています。
ただ、造膜型のように色艶の調整ができないという弱点もあります。
木材に浸み込んでいくことで内側から「撥水」「防腐」「防カビ」といった効果を発揮していきます。
表面に塗膜がないので造膜型よりも耐久性・耐水性が低めになっています。
しかし表面に塗膜がないことで塗膜が剥がれてしまう、塗膜が膨れてくるということがありません。
浸透型の塗料は木目をそのまま活かすことができるために内装木部として多く使われています。
和風の住宅はもちろん、洋風の住宅でもキッチンや柱、階段、化粧垂木など幅広く使用されています。
内装木部の塗装を行う際の注意点とは
木材はセメントやコンクリートなどと同じように塗装してしまうと不具合が出る場合があります。
ここでは木材へ塗装をする際の注意点やポイントについて紹介していきます。
下地処理をしっかりと行うこと
木材へ塗装する際には塗料が剥がれやすいという特徴があるため、塗料をしっかりと密着させるためには下地処理を適切に行う必要があります。
また、木目を活かすためにクリア塗装を行っていることも多いため、塗装し直す際にはこの古いクリア塗装をすべて落とした上で塗装を行わないと密着性が低くなってしまう可能性があります。
古いクリア塗装が残っていると塗りムラの原因にもなります。
古い塗膜をしっかりと落とした上で、ケレン処理を行い、木材の表面に凹凸がない状態にして塗装をするようにしましょう。
日当たりの程度によって劣化速度は違ってくる
同じ時期に塗装をしたとしても日当たりの程度によって塗装の劣化は大きく違ってきます。
特に木材の塗装は紫外線の影響を強く受けますので、日当たりが良い南側などは北側よりも早く劣化していくこととなります。
そのため、南側や西日が当たる西側はより耐久性が高い塗装を行う必要があります。
木材は天然素材ですので、塗装による保護がなくなると劣化や腐食がかなりの速度で進むこととなります。
紫外線による劣化の速度の違いを計算に入れてメンテナンスができればメンテナンスを行う回数を減らすことができるでしょう。
これはコストパフォーマンスにも影響してきますので注意しておきましょう。
ひび割れ対策を重視すること
木材の特徴として膨張と収縮が何度も繰り返されるということがあります。
この作用によって塗装にひび割れが入りやすいという弱点があるのです。
このひび割れしやすいという特徴が木部塗装が長く持たない最大の理由とされています。
木材が膨張と収縮を繰り返すことは防ぐことはできないため、ひび割れ対策をすることが対応方法となります。
具体的にはひび割れに強い塗料を選ぶこととなります。
木部塗装の際にひび割れに強いウレタン塗料を使うか、耐久性が高いシリコン塗料を使うかは重要な選択となります。
木材はひび割れしやすいために伸縮性のあるウレタン塗料を使うという考え方もあるのですが、ウレタン塗料はシリコン塗料よりも耐久性が低いため早く劣化するという可能性があります。
シリコン塗料は何もトラブルがなければ高い耐久性のため長持ちするのですが、塗膜が硬くなるためにひび割れしやすいという特徴があります。
どちらを選ぶかはかなり重要な選択になるでしょう。
DIYでの塗装はおすすめしない
自分の気に入った仕上がりにするために自分で塗装したいという人がいるかもしれませんが、木部塗装のDIYはおすすめできません。
木材に合った塗料選びは非常に難しいものですし、適切に下地処理をする、しっかりと塗装をするというのも難しいことです。
塗装を失敗してしまうとせっかく塗装してもすぐに剥がれてしまう、膨れてしまうということもあります。
こうなるとせっかくの木材の良さが無くなってしまうので残念な結果となってしまいます。
内装木部で多く使われる塗料は
室内の木部塗装では水性塗料が多く使われています。
これは室内の木材は人が触れることも多く、安全性が重視されるために天然塗料や水性塗料が多く使われているのです。
油性塗料は性能が高いものはあるのですが臭いが強いものが多いために室内では向いていないのです。
必要な機能を備えている
木材は繊細で傷みやすいために高性能な塗料を使いたいところです。
また、木材は天然素材ですので虫、腐食、カビなどに弱いという特徴があります。
そのため、「防虫」「防腐」「防カビ」の効果が高い塗料を選ぶというのが必須となります。
さらに木材は湿気を吸収する、吐き出すという呼吸を行っているため、その呼吸を邪魔しない塗料でなければいけません。
それらの効果を持ち、しかも耐久性の高いという高性能な塗料を選びたいところです。
木材の木目や質感を重視したい場合はそれらを維持できるというクリア塗料もあるので、そういった塗料を使うのも良いでしょう。
3回塗りをする前提で塗料を選ぶ
外壁塗装では「下塗り」「中塗り」「上塗り」という3回塗りが基本となっていますが、これは木部塗装でも同様です。
基本的には木部塗装でも3回塗りを行って、強度を高めていきます。
紫外線が直接強く当たらない室内の木部塗装でも3回塗りを行い、紫外線が強く当たるような南側の塗装の場合は4回以上の重ね塗りが必要となる場合もあります。
そのため、重ね塗りする前提で塗料を選ぶことが重要となります。
ただ、日当たりが良い場所と悪い場所では劣化の速度が違うため、理想としては同じタイミングで塗装のし直しをするという状態に合わせることです。
そのためには日当たりを計算に入れて塗装をしていくことが必要です。
まとめ
塗装工事には屋根塗装や外壁塗装だけでなく、木部塗装というものもあります。
木材への塗装はセメントやコンクリートに塗装する際とは違った特徴がありますので、それらに注意して塗装しなければいけません。
木目や温かみを消さないように、ひび割れにも注意して塗料を選んでいくと失敗しない木部塗装ができるでしょう。
どういった塗料を選べばよいのか、どのタイミングで塗装を行えば良いのかについては業者と相談しながら決めていくことをおすすめします。松本市にて木部に関する塗装でお悩みの際は、株式会社colorにお任せ下さい。
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