鉄骨階段の錆を防ぐ!鉄骨階段の塗装メンテナンスについて
2025/04/21
鉄骨階段は、アパートやビル、工場など多くの建物で見かけることができる非常に実用的な構造です。特に屋外に設置されているケースが多く、スペースの有効活用や安全な動線の確保に欠かせない存在となっています。しかし、鉄でできている以上、雨や雪、紫外線などの影響をダイレクトに受けてしまい、時間の経過とともに錆びや腐食が発生してしまうリスクがあります。
錆が進行すると階段の強度が低下し、最悪の場合は踏板が破損したり手すりが外れたりといった重大な事故につながることも。これを未然に防ぐには、定期的な塗装によるメンテナンスが非常に重要です。
この記事では、鉄骨階段が錆びる原因や放置するリスク、塗装メンテナンスの手順、費用の目安、そして信頼できる業者選びのポイントまでを、長野県松本市で外壁・屋根塗装を手がける「株式会社color」が詳しく解説していきます。
鉄骨階段が錆びる原因とは?
鉄骨階段が錆びやすい一番の理由は、その設置環境にあります。屋外に設置されているケースが多く、雨や雪、湿気、紫外線に常にさらされることで、塗膜が劣化し、金属部分がむき出しになります。
特に冬の寒冷地では、路面凍結を防ぐための「塩カル(塩化カルシウム)」が鉄骨階段に付着することがあり、これが錆の進行を早める要因になります。
また、階段の構造上、水が溜まりやすい部分(踏板の隙間やステップ裏など)が存在し、そこから局所的に錆が発生することが多いです。
さらに、施工時の塗装が不十分だったり、経年劣化で塗膜が剥がれたりしていると、錆びは想像以上に早く広がってしまいます。
錆を放置するリスク
鉄骨階段に発生した錆を「見た目が悪いだけ」と軽視してしまう方も少なくありません。しかし、錆は金属の劣化現象であり、放置すればするほど深刻なトラブルへとつながっていく非常に危険なサインです。特に鉄骨階段は人が頻繁に行き来する場所であるため、安全面・建物価値の両面において、錆を放置することの影響は想像以上に大きなものとなります。
ここでは、鉄骨階段の錆を放置することによる4つの主なリスクについて、詳しく見ていきましょう。
リスク①安全性の低下
最も重大なリスクが「安全性の低下」です。
鉄は錆びると徐々に内部から脆くなっていき、強度が著しく低下します。階段の踏板や手すりが錆で侵食されると、本来の耐荷重が保てなくなり、人が乗った際に歪んだり破損する可能性があります。
特に踏板の下側やつなぎ目部分など、普段目に見えにくい場所で錆が進行している場合、知らないうちに階段の強度が著しく損なわれていることもあります。
実際に、全国各地で鉄骨階段の崩落や手すりの脱落といった事故が報告されており、万が一の転倒や落下事故は重大な人的被害につながりかねません。
建物の管理者やオーナーにとって、鉄骨階段の安全性を確保することは、責任を持った管理義務の一部でもあります。たとえ小さな錆であっても、「その下ではすでに深刻な腐食が始まっている」と認識し、早急な対応が必要です。
リスク②美観の悪化と印象ダウン
鉄骨階段の表面に赤錆や黒錆が目立つようになると、建物全体の美観を著しく損ねます。
特に住宅や賃貸アパート、オフィスビル、店舗など、人目に触れる機会の多い建物では、第一印象を大きく左右する要素となります。
お客様や入居希望者が建物を訪れた際、最初に目にするのがエントランス周辺や階段部分であるケースも少なくありません。そこに錆が広がっていた場合、「管理が行き届いていない」「古くて危なそう」といったマイナスの印象を与えてしまう恐れがあります。
また、飲食店や美容室、クリニックといった業種では、施設の清潔感や安心感が重視されるため、外観の印象は集客にも直結します。ほんの少しの錆が、顧客離れの原因になることもあり得るのです。
建物の見た目を保ち、好印象を与えるためにも、鉄骨階段の定期的な塗装メンテナンスは欠かせません。
リスク③修繕費用の増加
錆の進行を放置すると、いずれ塗装だけでは対応しきれないレベルにまで劣化が進行してしまいます。
初期の段階であれば、ケレン(錆落とし)と塗装で十分対応できるのですが、錆が深部にまで浸透して鉄骨自体が腐食してしまった場合は、部材の交換や溶接補修など大掛かりな工事が必要になります。
このような重度の劣化では、工期も長くなり、材料費・人件費・足場代なども含めて、修繕費用が数倍に跳ね上がるケースも珍しくありません。
さらに、応急的な補修では済まない場合は、鉄骨階段の丸ごと交換という選択肢が必要になることも。このような事態は、建物の稼働にも影響を与え、テナントや入居者の不便・苦情にもつながりかねません。
つまり、「早期メンテナンスこそが最も経済的」ということを意識することが重要です。少しの錆でも見逃さず、初期のうちに塗装で対応しておくことで、結果的に修繕コストを大幅に抑えることができます。
リスク④建物の資産価値の低下
鉄骨階段の状態は、建物の資産価値にも大きな影響を及ぼします。
不動産の売却や賃貸を検討する際、建物の外観や共用部の状態は、価格査定や入居者選定における大きな判断材料となります。
もし階段が錆びて劣化していると、「他の部分もメンテナンスされていないのでは?」という不信感を招き、査定価格が下がったり、内見者の印象が悪くなるリスクが高まります。
また、定期的に適切なメンテナンスをしている建物は、将来的な売却時にも「きちんと管理されている優良物件」として評価されやすく、売却価格や成約スピードにも良い影響を与えるでしょう。
特に賃貸アパートやビルのオーナー様にとっては、空室リスクを減らし、安定した収益を保つためにも、階段の美観・機能性の維持は重要な投資のひとつと言えます。
鉄骨階段の塗装メンテナンスの流れ
鉄骨階段の塗装は、単に「上から塗るだけ」ではなく、しっかりとした工程を踏むことで長持ちする仕上がりになります。
① 現地調査
まずは階段の状態を丁寧に確認します。錆の進行度、塗膜の状態、構造的な問題がないかなどをチェックします。
② 高圧洗浄
汚れや埃、古い塗膜などを高圧洗浄機で洗い流し、塗装前の下地を整えます。
③ ケレン作業(錆落とし)
ケレンとは、ヤスリやサンダーなどを使って錆や古い塗膜をしっかり落とす作業です。この作業の精度が、仕上がりと耐久性を大きく左右します。
作業レベルは1種〜4種まであり、状態に応じて適切な処理を行います。
④ 下塗り(錆止め塗装)
ケレン後は、防錆効果の高いエポキシ系の錆止め塗料を下塗りします。鉄部との密着性が高く、錆の再発を防ぎます。
⑤ 中塗り・上塗り
耐久性や防水性、紫外線耐性に優れた塗料を使用して、2層に分けて仕上げ塗りを行います。色やツヤの調整もこの段階で。
⑥ 完了後の点検
塗りムラや塗り残しがないか、最終チェックを行い、必要に応じて補修を加えて完了です。
塗り替えのタイミングとサイン
鉄骨階段の塗り替え時期の目安はおよそ5〜7年とされていますが、以下のようなサインが出ていれば、早めの対処が必要です。
- 塗膜のひび割れや剥がれ
- 赤錆や黒錆が浮いてきている
- 表面のツヤがなくなってきた
- 階段に触ると白い粉(チョーキング現象)が手につく
- 前回の塗装から7年以上経過している
少しでも気になる症状があれば、早めに業者に相談するのがおすすめです。
鉄骨階段に適した塗料の種類
鉄骨階段の塗装に使われる主な塗料は以下の通りです。環境や目的に応じて適切なものを選びましょう。
- エポキシ系下塗り塗料:強力な防錆効果を持つ。下塗り専用。
- ウレタン塗料:柔軟性があり、ひび割れに追従しやすい。コストも手頃。
- シリコン塗料:耐候性・耐久性が高く、価格と性能のバランスが良い。
- フッ素塗料:最高級の耐久性を誇るが、高価。
また、屋外での使用に対応した塗料を選ぶことが大前提です。
鉄骨階段の塗装費用の目安
塗装にかかる費用は、階段の規模や状態、使用する塗料、足場の有無などによって大きく変動します。
- 塗装面積あたりの単価:6,000円〜10,000円/㎡程度が相場
- ケレン作業の有無:錆が多いほど手間と費用がかかる
- 足場設置が必要な場合:別途50,000円〜100,000円程度
松本市周辺でも、状態の良い小規模な階段で10万円台から対応可能な場合がありますが、正確な見積もりは現地調査が必要です。
DIYと業者依頼、どちらが良い?
鉄骨階段の塗装を検討する際、「DIYでやってみようかな」と考える方も多いのではないでしょうか。ホームセンターなどで塗料や工具を手軽に手に入れられる時代ですし、ネット上にはDIY塗装に関する情報も数多くあります。
しかし、鉄骨階段の塗装には専門的な知識と高い技術が求められる場面が多く、一見簡単そうに見えて実は難易度の高い作業です。
ここでは、DIYと業者依頼のそれぞれのメリット・デメリットを比較しながら、どちらを選ぶべきかを詳しく解説します。
DIYのメリット
コストを抑えられる
DIY最大の魅力はやはり費用の安さです。業者に依頼する場合は、材料費のほかに人件費や足場代などが加算されますが、DIYであれば塗料・刷毛・ケレン道具などを自分で揃えるだけで済むため、費用を大きく抑えることができます。
「とりあえず応急処置で」「人目につかない場所だけ」といった軽微な塗装であれば、DIYでもある程度対応できるケースもあるでしょう。
自分のペースで作業できる
業者に依頼すると、日程調整や施工期間中の立ち合いが必要になることがありますが、DIYであれば自分の都合に合わせて好きなタイミングで作業できるのも利点です。時間に余裕があり、塗装作業が趣味という方にとっては、楽しみながらできる作業にもなるかもしれません。
DIYのデメリット
高所作業による危険性
鉄骨階段の塗装は、高所作業になるケースが非常に多いです。
特に屋外階段や2階以上にある階段の場合、脚立や足場を使っての作業となり、慣れていない人にとっては非常に危険です。バランスを崩して転落してしまった場合、大きなケガにつながる恐れがあります。
また、塗料やケレン道具を持ちながらの作業になるため、想像以上に体力と集中力を必要とします。
錆落としや下地処理の難しさ
鉄骨階段の塗装で最も重要なのが、「塗る前の下地処理」です。
表面に浮いている錆や汚れを中途半端にしか落とさずに塗装してしまうと、塗膜の下で錆が再発し、塗装の効果がまったく持続しないというケースがよくあります。
プロの業者は、電動工具や専用のケレン道具を使い、錆を徹底的に除去したうえで、適切な下塗り(錆止め)を行います。しかし、DIYではそのような設備がなく、作業も甘くなりがちです。
耐久性が低くなりがち
市販の塗料を使ってDIY塗装をしても、業者が使う業務用塗料ほどの耐候性・密着性はありません。また、塗りムラができやすく、厚みが均一でない場合はわずか1~2年で剥がれてきてしまうことも。
そのたびに再塗装が必要となり、結果的に手間もコストもかかるという悪循環に陥るケースもあります。
まとめ
鉄骨階段は便利で頑丈な構造ですが、錆や腐食に弱い一面があります。安全性や建物の資産価値を守るためにも、定期的な塗装メンテナンスは欠かせません。
劣化サインを見逃さず、適切なタイミングでのメンテナンスを行うことで、結果的にコスト削減にもつながります。
松本市で鉄骨階段の塗装をお考えの方は、地域密着型で安心の「株式会社color」までご相談ください。確かな技術と丁寧な対応で、長く安心して使える階段に仕上げます。