外壁材ごとのメンテナンス時期と最適な塗料の選び方【窯業系・モルタル・ALC】 | 株式会社color

松本市の外壁塗装は株式会社colorへ

MENU

Knowledge

塗装に関する豆知識をご紹介

外壁材ごとのメンテナンス時期と最適な塗料の選び方【窯業系・モルタル・ALC】

2025/07/28

外壁塗装を検討するとき、見落とされがちなのが「外壁材の種類に合わせた塗料の選定とメンテナンス時期」です。どんな塗料でもいいわけではなく、外壁材ごとに適した塗料・施工タイミングがあります。

この記事では、住宅に多く使われている3つの外壁材—「窯業系サイディング」「モルタル」「ALCパネル」—それぞれの特徴と、最適なメンテナンスの時期・塗料の選び方を詳しく解説します。

松本市のように寒暖差が大きく、紫外線や降雪の影響を受けやすい地域では、外壁材に適したケアが建物の寿命に直結します。ぜひ参考にしてください。

窯業系サイディングとは?

特徴と耐用年数

窯業系サイディングとは、セメントに木質繊維や無機繊維を混ぜて形成・加工した外壁材で、現在の日本において戸建住宅の約8割に採用されている主流の外壁材です。その人気の理由は、施工性の高さとデザイン性の豊富さにあります。

製品には木目調やタイル調、石材調など多彩なテクスチャーが施されており、外観デザインにこだわる住宅にも柔軟に対応できます。さらに、工場で製造されたパネルを現場で張り合わせる「乾式工法」のため、現場施工のムラが少なく、品質が安定しているのも魅力です。

本体の耐用年数は約30年とされていますが、あくまでそれは「外壁材としての構造体の寿命」です。実際には、表面に塗布されている塗膜の防水機能や、美観を維持するためには10年程度での再塗装が推奨されます。また、パネル同士のつなぎ目に施されたコーキング材(シーリング)も紫外線や気温差の影響を受けやすく、劣化スピードが早い部位の一つです。

したがって、窯業系サイディングを使用している住宅では、10年前後で塗膜とコーキングのダブルメンテナンスが必要になります。

劣化症状とメンテナンス時期

窯業系サイディングは、見た目がきれいでも内部の劣化が進んでいることがあり、定期的な点検が欠かせません。特に注意したい劣化症状としては、手で触ると白い粉が付着するチョーキング(白亜化)があります。これは塗膜の樹脂が紫外線によって劣化しているサインで、塗膜の防水性能が低下している状態を示します。また、サイディングの目地部分に施されたコーキング材が経年劣化で硬化し、ひび割れや肉やせを起こすことがあります。この隙間から水が侵入すると、外壁内部にカビや腐食が発生する原因になります。さらに、雨水の侵入や凍結・融解の繰り返しによって、サイディングが水分を含み膨張し、反りや浮きが発生することもあります。反りが進行すると外壁材の脱落や、さらなる雨水侵入を招くリスクも高まります。

これらの劣化が見られるようになったら、築8〜12年を目安に塗装とコーキングの打ち替えをセットで行うのが理想的です。特に松本市のように寒暖差が大きく、凍結リスクのある地域では、早めのメンテナンスが建物の長寿命化に直結します。

最適な塗料の選び方

窯業系サイディングは、表面に塗装を施して防水性・美観を保っています。そのため、塗料の種類や性能が耐用年数に大きく影響します。以下におすすめの塗料タイプを紹介します。

✅ラジカル制御型塗料

近年注目されているのが「ラジカル制御型塗料」です。紫外線に反応して塗膜を破壊するラジカルという物質の発生を抑制し、チョーキング現象を大幅に減らせるのが特徴です。コストパフォーマンスに優れ、耐用年数も12〜15年と従来のシリコン塗料より長持ち。はじめての塗り替えにもおすすめです。

✅フッ素塗料

フッ素樹脂を主成分とする塗料で、高耐候・高耐久・高撥水性に優れています。耐用年数は15〜20年と長く、メンテナンスの手間を減らしたい方や、長期的なコストパフォーマンスを重視する方に最適です。光沢感も長く持続し、美観を保ちやすいのもポイントです。

✅無機塗料

セラミックなどの無機成分を含む塗料で、業界最長クラスの耐用年数(20〜25年)を誇ります。耐熱性・耐酸性・不燃性にも優れており、紫外線にも強いです。初期費用はやや高めですが、塗り替え回数を減らせるため、ライフサイクルコストで見ると非常に経済的です。

モルタル外壁とは?

特徴と耐用年数

モルタル外壁は、セメント・砂・水を混ぜた「モルタル」を左官工によって手作業で塗り重ねて仕上げる、伝統的な工法です。現在ではサイディングボードが主流になりつつあるものの、重厚感のある外観や自由度の高い意匠性を評価する声も多く、特に築20年以上の住宅や注文住宅などで根強く使用されています。

リシン仕上げ・スタッコ仕上げ・吹き付けタイル仕上げなど、さまざまな表面仕上げが可能で、設計の自由度が高いのが魅力です。モルタルそのものは30〜40年程度の高い耐久性を誇りますが、表面を保護する塗膜は別問題です。モルタルは防水性がないため、塗膜が劣化すると一気に水を吸い込み、ひび割れや凍害、カビ・苔の発生につながります。

特に松本市のような寒冷地域では、冬季の凍結・融解を繰り返すことで、モルタルの内部からの劣化が進みやすくなるため、定期的な塗装メンテナンスが建物を守るカギとなります。

劣化症状とメンテナンス時期

モルタル外壁の最も代表的な劣化症状は、「クラック(ひび割れ)」です。これはモルタルという素材の性質上、乾燥収縮や地震、建物の揺れ、寒暖差の影響を受けやすいためであり、築年数の経過とともに必ずといってよいほど発生します。

以下のような症状が見られたら、早めの点検・補修が必要です。モルタル外壁では、幅0.3mm未満の細かい「ヘアークラック」でも水が染み込みやすくなる要因となります。さらに、クラックが構造体に達していると、雨水や湿気が侵入し、凍害や鉄筋のサビ、塗膜の膨れなど深刻な問題に発展する恐れもあります。また、外壁を触ると白い粉が付着する「チョーキング現象」は塗膜の樹脂が分解されているサインで、塗膜が劣化し、防水機能が失われている状態といえます。さらに、モルタルは湿気を吸収しやすいため、内部から水分が蒸発する際に塗膜を押し上げてしまい、膨れや剥がれが起こるケースもあります。

松本市のように寒暖差が激しく、冬場の凍結が頻発する地域では、こうした劣化が特に起こりやすいため、築8〜10年を目安に外壁診断を受けることが大切です。初期段階で適切に補修することで、長く健全な外壁を維持できます。

最適な塗料の選び方

モルタル外壁に使用する塗料を選ぶ際には、クラックへの追従性と密着性の高さが重要です。凹凸のある表面や吸水性の高い下地にしっかりと密着し、建物の動きに対応できる塗料を選ぶことで、ひび割れや剥がれを防ぎ、美観と防水性を長く維持することが可能です。

✅弾性塗料(微弾性フィラーなど)

小さなクラックにも対応できる「弾性塗料」は、モルタル外壁との相性が非常に良い塗料です。柔軟性があり、塗膜が伸び縮みすることでひび割れの追従・再発防止に役立ちます。また、下地調整材として使われる「微弾性フィラー」は、細かなクラックを埋める下塗り材として重宝されます。

ただし、通気性が低いため、外壁内部に湿気がこもりやすい住宅では逆効果となることも。建物の構造や使用環境に応じて使い分けが必要です。

✅シリコン塗料・ラジカル制御型塗料

コストと耐久性のバランスが取れた「シリコン塗料」や「ラジカル制御型塗料」も人気です。これらの塗料は10〜15年の耐用年数があり、紫外線による劣化を抑え、チョーキング現象を軽減できます。モルタルの意匠性を活かした塗り替えにも適しており、さまざまな仕上げに対応可能です。

✅フッ素塗料・無機塗料

より耐久性を求める場合は「フッ素塗料」や「無機塗料」がおすすめです。紫外線や風雨への耐性が高く、塗膜の寿命が15〜20年以上と長いのが特徴です。初期費用はやや高めですが、塗り替え頻度を抑えたい方や、資産価値を長期的に維持したい方に適しています。

ALCパネルとは?

特徴と耐用年数

ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)は「軽量気泡コンクリート」の略称で、セメント・石灰・けい石などを原料とし、アルミニウム粉末を加えて発泡させた素材を高温高圧で養生してつくられます。この発泡構造によって非常に軽量でありながら、優れた断熱性・防火性・遮音性を兼ね備えた高機能外壁材として、戸建て住宅から中高層ビルまで幅広く採用されています。

ALCは1枚あたりのサイズが大きく、工場でのプレキャスト加工が可能なため、現場での施工精度が高く、工期も比較的短く抑えられる点が評価されています。また、無機系材料で構成されているため、シロアリ被害や腐食にも強く、耐用年数は50年を超えるともいわれるほど、外壁材としては非常に高寿命な部類に入ります。

ただし、ALCパネル自体は多孔質で非常に吸水しやすい性質を持っているため、表面の塗膜と目地のコーキングが建物の寿命を左右する重要な要素となります。これらの防水層が劣化すると、パネル内部に雨水が侵入し、やがては中性化・鉄筋腐食・構造劣化といった深刻な問題を引き起こす可能性もあるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

劣化症状とメンテナンス時期

ALCは「耐久性は高いが、メンテナンスを怠ると一気に劣化する」という特性を持っています。見た目には大きな傷がなくても、塗膜の劣化や目地の破断から徐々に劣化が進んでいくため、築10年をひとつの目安として、塗装とコーキングの同時メンテナンスが必要です。

特に松本市のような冬場の寒さが厳しく、雪や氷、冷たい雨が外壁を打つ環境では、様々な劣化症状に注意が必要です。外壁を手でこすると白い粉が付くチョーキング現象は塗膜が紫外線により分解され始めたサインで、この段階で防水機能が大幅に低下しています。また、表面が部分的にめくれたり、ふくれたりする塗膜の剥がれや浮きは、水分の浸入・膨張が原因のことが多く、内部への雨水の侵入が懸念されます。

ALCパネルは複数のパネルを継ぎ合わせて外壁を構成しているため、継ぎ目部分のコーキングの柔軟性と防水性が非常に重要です。ここが切れたり剥がれたりすると、パネルの隙間から雨水が入り、構造内部にダメージを与えます。目に見える劣化症状がなくても、長期間メンテナンスをしていない場合は、パネル内部が湿気を含んでいる可能性があり、これが進行すると「中性化」と呼ばれる現象が起こり、鉄筋がサビて構造強度が低下します。

このようなリスクを避けるために、築10年を過ぎたら必ずプロの診断を受け、塗装とコーキングのセットでのメンテナンスを検討しましょう。

最適な塗料の選び方

ALCパネルは、多孔質で吸水性が高いため、外壁材としての耐久性を最大限発揮するには「防水性」と「柔軟性」を兼ね備えた塗料や材料選びが不可欠です。以下に、ALCに適した塗料の特徴とその理由を解説します。

✅シリコン・ラジカル制御型塗料

これらは一般的な戸建住宅でも広く使われているスタンダードな塗料で、10〜15年の耐久性とコストのバランスが良好です。特にラジカル塗料は、紫外線による劣化を抑制する機能を持ち、チョーキング現象を起こしにくい点が特徴です。ALCにも適応できる製品が多く、防汚性に優れたものもあり、美観維持の観点でも優れています。

✅フッ素塗料

フッ素塗料は、高い耐候性と防水性を兼ね備えたハイグレード塗料で、15〜20年の長寿命を誇ります。ALCの吸水リスクを防ぐ強力な防水膜を形成できるため、長期間メンテナンスを控えたい方におすすめです。やや費用は高くなりますが、再塗装の回数を減らすことでトータルコストは抑えられる場合もあります。

✅弾性塗料(多機能型)

ALCの特性により特に重要なのが「柔軟性のある塗料」です。パネルの動きに追従し、小さなクラックにも対応できる多機能型の弾性塗料は、ALCとの相性が良く、微細なひび割れをカバーしながら外壁の美観と防水性を両立できます。通気性を持たせたタイプであれば、内部にこもった湿気の排出を妨げず、塗膜の膨れを防止できる点でも優れています。

まとめ

外壁塗装は見た目を美しくするだけでなく、建物を守るための大切なメンテナンスです。特に、窯業系サイディング・モルタル・ALCなど、外壁材ごとに劣化のサインや対策が異なるため、それぞれの素材に応じた塗料選びと施工タイミングの見極めが不可欠です。

塗膜の劣化は、外から見ても分かりづらいことがあります。だからこそ、見た目に異常がなくても、定期的な診断とプロによる判断が外壁を長持ちさせるカギになります。

株式会社colorでは、松本市の気候や住宅事情に合わせて、外壁材の種類・劣化状況に応じた最適な塗装プランをご提案しています。一級塗装技能士が在籍し、診断から施工まで丁寧に対応いたしますので、「そろそろ塗り替え時期かも?」と感じた方は、どうぞお気軽にご相談ください。

大切なお住まいを、より長く、快適に保つために。外壁の健康チェックから始めてみませんか?

〈塗料に関する豆知識〉

TOP