塗装工事における木部塗装とは?内装木部にも塗装が必要?
2024/05/07
「塗装工事」というと「外壁塗装」「屋根塗装」というイメージが強く、瓦屋根やスレート屋根、サイディングボードやモルタル外壁などに塗装を行うというイメージが強いかもしれません。
しかし木質の外壁や、ウッドデッキ、玄関ドアなど色々な箇所に木材は使用されています。
木部の質感を活かしながら木部の保護を行う木部塗装には技術が求められます。
ここでは大切な木部を保護するための木部塗装について詳しくご紹介していきます。
木材の特徴とは
木部塗装を行う際には外壁塗装よりも注意しなければならない点があります。
木材の良さを活かしながら保護するには、木材がもつ特有の特徴を理解した上で適切な塗装を行う必要があります。
そこでここでは木材の特徴について紹介していきます。
湿度調整作用を持つ
木材は空気中の湿度を吸収・放出する特性を持ち、室内環境を快適に保つ役割を果たします。
このため、内装材として非常に人気があります。ただし、過剰な湿気に晒されると変形やカビの原因になるため、適切なメンテナンスが必要です。
湿気を吸収する際には木材が膨張し、吐き出す時には木材が収縮します。わずかではありますが、素材そのものが膨張と収縮を繰り返しているため、上に塗った塗装がひび割れや剥がれを起こしやすい特性があります。
腐食しやすい
木材は湿気を含む環境下では腐食しやすい素材です。腐食防止対策はされていますが、金属やセメントにくらべると腐食が起こりやすい素材です。
新築の時は防腐や防虫効果のある塗装がされていますが、経年劣化によってこうした機能も低下していくため、定期的なメンテナンスが重要になります。
特に外部に使用される木材は、雨や紫外線の影響を受けて劣化が進むため、定期的な塗装や防腐処理が欠かせません。
木目のもつ温かみ
木材はセメント、コンクリートと違うのはやはり天然素材ならではの温かみがある点です。
木材が持っている温かみによって心が癒されるということが多く、その温かみを求めて内装に木材を使うということが多くあります。
また木材の種類ごとに違う木目の美しさも特徴です。フローリングなどでは自然素材ならではの足ざわりの良さも魅力です。
これは木材ならではの魅力だと言えるでしょう。
木材の塗装について
木部塗装では大きく分けると2種類の塗料が使用されています。
それぞれに特徴が違っていますので、うまく使い分けていくようにしましょう。
造膜型塗料
一般的に外壁塗装で多く使われているのがこちらのタイプの塗料です。
表面にべた塗りしていくことで塗膜を作るものです。
こちらは木材の表面に塗膜を作るため手で直接触った際に木材の感触がなくなるというデメリットがあります。
また、木目も塗膜で覆われるために活かしにくいという点もデメリットです。
しかしカラーバリエーションが豊富ということもあって「仕上がりの色」「艶の量」などを調整できるという強みがあります。
大きな長所としては塗膜がしっかりと木材の表面を保護するため耐久性や耐水性が高くなるという点です。
耐水性が高いというメリットがあるため、外部の木部塗装にも多く使用されています。
破風、軒天、鼻隠しなどの外装塗装で使用されているのはやはり強い保護力が期待されてのことだと言えるでしょう。
塗膜で木部を保護していますが、塗膜が剥がれたり劣化すると再塗装が必要です。
浸透型塗料
浸透型塗料は、塗料を木材に浸み込ませていくことで木材の内側から保護していくのが特徴です。
表面に塗料の色がついたり塗膜を作ることがないため、木目や木の質感をそのまま活かせた仕上がりが魅力です。
ただ、造膜型のように色艶の調整ができないという弱点もあります。
木材に浸み込んでいくことで内側から「撥水」「防腐」「防カビ」といった効果を発揮していきます。
表面に塗膜がないので造膜型よりも耐久性・耐水性が低めになっています。
しかし表面に塗膜がないことで塗膜が剥がれてしまう、塗膜が膨れてきて見た目が悪くなるということはありません。しかし耐久性が低いため定期的な塗り直しが必要です。
浸透型の塗料は木目をそのまま活かすことができるために内装木部に多く使われています。
和風の住宅はもちろん、洋風の住宅でもキッチンや柱、階段、化粧垂木など幅広く使用されています。
木部塗装を行う際の注意点とは
木部塗装は、木材の特性を理解した上で慎重に行う必要があります。不適切な方法で塗装すると、仕上がりに影響が出たり、耐久性が低下する場合があります。
ここでは木材へ塗装をする際の注意点やポイントについて紹介していきます。
下地処理が重要
木材へ塗装する際には塗料が剥がれやすいという特徴があります。塗料をしっかりと密着させるために下地処理を適切に行う必要があります。
木目を活かすためにクリア塗装を行っていることも多いため、塗装し直す際にはこの古いクリア塗装をすべて落とした上で塗装を行わないと密着性が低くなってしまいます。また古い塗装が残っていると塗りムラの原因にもなります。
まずは古い塗膜をしっかりと落とした上で、ケレン処理を行うことが重要です。
ケレンで汚れなどを落とし、木材に細かい傷をつけることで密着を高める効果があります。
状態によってはあく抜きを行って堆積した木材の汚れを落とすことも必要となります。
日当たりの程度によって劣化速度は違ってくる
日差しが強い場所にある木部は紫外線の影響を受けやすく、塗装の劣化速度が早くなります。
特に木材の塗装は紫外線の影響を強く受けますので、日当たりが良い南側などは北側よりも早く劣化していくこととなります。
そのため、南側や西日が当たる西側はより耐久性が高い塗装を行う必要があります。
塗装による保護がなくまってしまうと、天然素材である木材は劣化や腐食がかなりの速度で進むこととなります。
紫外線による劣化の速度の違いを計算に入れてメンテナンスができればメンテナンスを行う回数を減らすことができるでしょう。
これはコストパフォーマンスにも影響してきますので注意しておきましょう。
ひび割れ対策を行う
先にご紹介したように、木材の特徴として膨張と収縮が繰り返されることで塗装にひび割れが発生しやすくなっています。
このひび割れしやすいという特徴が、木部塗装が長く持たない最大の理由の一つといえます。
ひび割れに強いウレタン塗料を使うか、耐久性が高いシリコン塗料を使うかは重要な選択となります。
伸縮性のあるウレタン塗料を使うことでひび割れを防ぐことができますが、ウレタン塗料はシリコン塗料よりも耐久性が低いため早く劣化してしまいます。
一方シリコン塗料は高い耐久性のため長持ちするため塗り替え回数を減らすことができます。しかし塗膜が硬いという理由でひび割れしやすいという特徴があります。
業者によって提案する塗料が異なるため、メンテナンス回数を考慮して希望を伝えることも大切です。
塗料に必要な機能が備わっているか
木材は天然素材ですので虫、腐食、カビなどに弱いという特徴があります。
そのため、「防虫」「防腐」「防カビ」の効果が高い塗料を選ぶというのが必須となります。
さらに木材は湿気を吸収する、吐き出すという呼吸を行っているため、その呼吸を邪魔しない塗料でなければいけません。
それらの効果を持ち、しかも耐久性の高いという高性能な塗料を選びたいところです。
木材の木目や質感を重視したい場合はそれらを維持できる塗料もありますので、そういった塗料を使うのも良いでしょう。
木材の塗料を選ぶ際にはどんな仕上がりにしたいのか、また耐久性との兼ね合いを考慮することが大切です。
業者に依頼する際は、こうした希望も伝えておきましょう。
DIYでの塗装はおすすめしない
自分の気に入った仕上がりにするために自分で塗装したいという人がいるかもしれませんが、木部塗装のDIYはおすすめできません。
木材に合った塗料選びは非常に難しいものですし、適切に下地処理を行って、ムラなく塗装をするというのも難しいことです。
塗装を失敗してしまうとせっかく塗装してもすぐに剥がれや膨れが発生してしまうなど耐久性不十分になることがあります。
仕上がりや長期的な効果を重視するなら、専門業者に依頼するのがおすすめです。
木部も3回塗装が基本
外壁塗装では「下塗り」「中塗り」「上塗り」という3回塗りが基本となっていますが、これは木部塗装でも同様です。
基本的には木部塗装でも3回塗りを行って、強度を高めていきます。
紫外線が直接強く当たらない室内の木部塗装でも3回塗りを行い、紫外線が強く当たるような南側の塗装の場合は4回以上の重ね塗りが必要となる場合もあります。
そのため、重ね塗りする前提で塗料を選ぶことが重要となります。
ただ、日当たりが良い場所と悪い場所では劣化の速度が違うため、理想としては同じタイミングで塗装のし直しをするという状態に合わせることです。
そのためには日当たりを計算に入れて塗装をしていくことが必要です。
株式会社colorの木部塗装について
木部塗装で使用する機械やケレンの様子
まとめ
塗装工事には屋根塗装や外壁塗装だけでなく、木部塗装というものもあります。
木材への塗装はセメントやコンクリートに塗装する際とは違った特徴がありますので、それらに注意して塗装しなければいけません。
木目や温かみを消さないように、ひび割れにも注意して塗料を選んでいくと失敗しない木部塗装ができるでしょう。
どういった塗料を選べばよいのか、どのタイミングで塗装を行えば良いのかについては業者と相談しながら決めていくことをおすすめします。松本市にて木部に関する塗装でお悩みの際は、株式会社colorにお任せ下さい。
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他社であまりやらないのは「機械」で木を削ることです。特に柱部分などで良く使用します。機械を使う理由は、手で行うより下地が整うからです。
木部でよく使用する塗料はキシラデコールです。定番製品なので安心して使用できます。
最近は水性塗料も販売されていますが、膜がついてしまうデメリットから質感や見た目の品質が落ちてしまうから弊社では使っていません。