外壁塗装と一緒にやっておきたいベランダ・屋上の防水工事について
2025/09/26
外壁塗装を検討するとき、多くの方が気になるのは「外壁や屋根の見た目や耐久性」だと思います。しかし、意外と見落とされがちなのがベランダや屋上の防水工事です。ベランダや屋上は雨や紫外線、寒暖差に直接さらされるため、外壁以上に劣化が進みやすい場所でもあります。防水層の劣化を放置すると、雨漏りや内部構造の腐食といった深刻な被害につながりかねません。
この記事では、ベランダや屋上の防水工事の必要性や劣化サイン、施工方法、そして外壁塗装と同時に行うメリットについて詳しく解説します。
なぜ防水工事が必要なのか?
防水工事の役割
防水工事の目的は単に水を弾くことだけではありません。防水層は外壁や屋根と同じように「建物を守るバリア」として機能します。雨水が建物内部に浸入しないようにすることで、鉄筋のサビや木材の腐食を防ぎ、さらにカビやシロアリといった二次被害を防ぐ役割もあります。
防水性が失われると起こる被害
防水層が劣化すると、最初は小さなシミや雨染みから始まりますが、やがて断熱材の劣化、内装材の剥がれ、柱や梁の腐食へと進行します。場合によっては雨漏りが慢性化し、居住性が著しく低下することもあります。外観の美しさだけでなく、建物の資産価値を守るためにも、防水工事は欠かせないのです。
ベランダ・屋上でよくある劣化サイン
ベランダや屋上は、外壁や屋根と同じように常に雨や紫外線、寒暖差の影響を受けています。特に松本市のように冬は凍結、夏は強い日差しという厳しい環境下では、劣化スピードも早まる傾向にあります。ここでは、代表的な劣化サインを詳しく解説します。
✅表面のひび割れ(クラック)
防水層や下地に発生する小さなひび割れは、放置すると内部に雨水が侵入し、建物の躯体を傷める大きな原因になります。最初は髪の毛ほどの細いクラックでも、寒暖差による膨張と収縮を繰り返すうちに徐々に広がり、水が浸み込みやすい経路を作ってしまうのです。
特に屋上では、わずかなひび割れから雨水が大量に浸入し、鉄筋コンクリートの場合は鉄筋のサビやコンクリートの爆裂(内部膨張による破壊)を招くケースもあります。小さなクラックを見つけた時点での補修が、後々の高額な修繕を防ぐ最善策です。
✅表面の色あせ・膨れ
防水層の表面は、紫外線や雨水によるダメージを最も受けやすい部分です。長年放置すると色が褪せて白っぽくなり、ツヤがなくなってきます。さらに劣化が進むと内部の水分や空気が膨張し、表面に膨れや剥がれが現れるようになります。
この状態は、すでに防水層の機能が低下し始めているサインです。見た目の違和感を軽視せず、早めに点検・塗り替えを行うことで、防水層全体の劣化を食い止められます。
✅コケ・藻の発生
ベランダや屋上の隅に緑色や黒色のコケや藻が見られる場合は、防水層の劣化で水はけが悪くなっている可能性が高いです。特に北側や日陰になる部分では乾燥が遅く、湿気が長時間残るため微生物が繁殖しやすくなります。
コケや藻は単なる見た目の問題にとどまらず、根が防水層の微細な隙間に入り込み、ひび割れを広げる原因にもなります。また、常に湿った状態が続くと下地の腐食も進行し、建物全体の耐久性に悪影響を及ぼします。
✅雨漏りや室内へのシミ
最も深刻なのが、雨漏りや室内へのシミの発生です。防水層の寿命が尽き、完全に防水機能が失われると、天井や壁にシミが出たり、クロスが剥がれてくるといった症状が現れます。ここまで劣化が進むと、単なる再塗装では対応できず、防水層の全面改修や下地の補修が必要になることも珍しくありません。
さらに放置すれば、木造住宅では構造材が腐食して耐震性が低下したり、鉄筋コンクリート造では鉄筋のサビによる強度低下を招くなど、建物の寿命そのものを縮めてしまいます。雨漏りが確認できた時点での緊急対応は必須です。
防水工事の主な種類と特徴
ベランダや屋上の防水工事にはいくつかの工法があり、それぞれ特徴や適した場所、費用感、耐用年数が異なります。ここでは代表的な3つの工法について詳しく見ていきましょう。
ウレタン防水
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねることで防水層を形成する工法です。塗膜が乾燥すると弾力性のある層となり、下地のわずかな動きにも追従できる柔軟性が特徴です。
複雑な形状や入り組んだベランダ・屋上でも隅々まで施工が可能で、最も汎用性が高い工法といえます。耐用年数はおよそ10〜12年で、定期的にトップコートを塗り替えればさらに長持ちさせることも可能です。コスト面でも比較的リーズナブルで、戸建て住宅のベランダでは特に採用されるケースが多くなっています。
FRP防水
FRP(繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維で補強したプラスチックを使用する工法です。施工後はカチッと硬く固まり、強度と耐久性に優れた防水層を形成します。
メリットは、軽量で強固、かつメンテナンス性が高い点です。耐用年数は12〜15年と長く、狭いベランダやバルコニーに適しています。さらに施工後すぐに歩行が可能なため、生活への支障が少ないのも魅力です。ただし硬化後は伸縮性が少ないため、大規模な屋上よりも小規模スペースに向いています。
シート防水
シート防水は、ゴムシートや塩ビシートを広げて貼り付ける工法で、広い屋上や商業施設などで多く採用されています。均一で安定した仕上がりが得られることに加え、施工スピードが早いのも特徴です。
耐用年数は10〜15年と十分で、材料によっては防水性に加えて断熱効果を持つタイプもあります。大面積を効率的に防水したい場合に適しており、特に鉄筋コンクリート造の建物で用いられることが多い工法です。
外壁塗装と防水工事を一緒に行うメリット
外壁塗装を検討される際、ベランダや屋上の防水工事も同時に行うことで様々なメリットが生まれます。単に費用や工事期間を抑えられるだけでなく、お住まいの寿命を延ばす観点からも理にかなった選択といえるでしょう。
足場の共用で費用を大幅カット
外壁塗装と防水工事を別々に実施すると、それぞれで足場を組む必要があり、この足場代だけでも数十万円の出費になります。一方、同時に工事を行えば足場は1回分で済むため、約20〜30万円もの費用削減が可能です。家計の負担を考えると、大きな節約につながります。
工事期間が短くなり、日常生活への影響も最小限に
外壁と防水工事を一度に済ませることで、工事全体の期間が短縮できます。また、作業員の出入りや工事音などの生活影響も一度で終わらせることができます。共働きのご家庭や小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、生活への負担が少なくなる点は見逃せないメリットです。
メンテナンスのタイミングが揃って管理しやすい
外壁とベランダ・屋上のメンテナンス時期を合わせておくと、将来の工事計画も立てやすくなります。別々に施工すると「外壁はまだ大丈夫だけど防水だけ劣化している」といった状況になりやすいのですが、同時施工ならメンテナンス計画がシンプルになり、長い目で見た管理コストも抑えられます。
見た目と機能、両方の価値を同時にアップ
外壁塗装はお住まいの美観を向上させ、防水工事は建物を雨から守ります。この両方を同時に行えば、見た目の良さと建物の耐久性を一度に高めることができ、住まい全体の資産価値アップにつながります。単なるお手入れにとどまらず、より快適で安心できる住環境づくりに貢献するのです。
防水工事の費用目安
防水工事は施工方法や範囲によって費用が変わりますが、おおよその目安は以下の通りです。
- ウレタン防水(密着工法):5,000〜7,500円/㎡
- FRP防水:6,000〜9,000円/㎡
- シート防水:4,500〜8,000円/㎡
例えば10㎡のベランダなら6〜9万円程度が目安となります。ただし、下地補修の必要性や施工環境によって費用は増減します。
松本市の気候と防水工事の重要性
松本市は内陸性気候で寒暖差が大きく、冬は氷点下まで冷え込む一方、夏は紫外線が強いという特徴があります。このため、防水層は凍結・融解の繰り返しや紫外線による劣化を受けやすく、定期的な点検と施工が欠かせません。松本市で長く快適に住むためには、外壁塗装だけでなく防水工事もセットで考えることが重要です。
防水工事を行う最適なタイミング
- 築10年前後
- 外壁塗装のタイミング
- ひび割れや膨れが見られたとき
- 雨漏りの初期症状が出たとき
これらのタイミングで早めに対処することで、大規模修繕を防ぎ、結果的にコストを抑えられます。
まとめ
ベランダや屋上の防水工事は、外壁塗装と同じくらい重要な住まいのメンテナンスです。防水層が劣化すれば雨漏りや構造体の劣化につながり、修繕費も高額になってしまいます。外壁塗装のタイミングで一緒に施工することで、コスト削減・工期短縮・美観と耐久性の両立が可能です。
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