外壁にカビ・藻が発生する原因と対策!再発を防ぐ塗料とは?
2025/07/28
外壁に黒ずみや緑色の汚れが目立ってきたら、それは「カビ」や「藻」が発生しているサインかもしれません。見た目が悪くなるだけでなく、放置すると建物内部の劣化や健康被害にもつながるため、早めの対策が重要です。
この記事では、カビや藻が外壁に発生する主な原因と、その対策法を詳しく解説します。さらに、再発を防ぐための塗料選びや、実際に松本市で行われている外壁メンテナンスのポイントについてもご紹介します。
外壁にカビ・藻が発生する原因
外壁にカビや藻が生えてしまうと、見た目の印象が悪くなるだけでなく、建物自体の耐久性にも影響を及ぼす可能性があります。では、なぜ外壁にカビや藻が発生するのでしょうか。その主な原因を詳しく解説します。
湿気と日当たりの悪さ
カビや藻は、水分と栄養、そして光の少ない環境を好む微生物です。特に外壁の北側や日陰になる部分は日照時間が短く、雨や朝露などの水分が乾きにくいため、カビや藻が繁殖しやすい条件が揃っています。
また、植栽が外壁の近くにあると、植物からの水分や落ち葉による湿気がこもりやすく、さらにカビや藻の発生リスクが高まります。住宅密集地や風通しの悪い場所でも、空気の循環が滞ることで湿度が上がり、繁殖を助長します。
こうした環境下では、一度発生したカビや藻がどんどん広がりやすくなるため、初期段階での対応が重要です。
経年劣化による塗膜の防水力低下
外壁の塗装は、単なる色づけではなく、建物を雨や湿気から守る防水バリアの役割を担っています。しかしこの塗膜も、日差し・雨・風・気温差などの自然環境にさらされ続けることで、徐々に劣化していきます。
塗膜が劣化すると防水性が失われ、外壁材自体が水分を吸収しやすくなります。その結果、壁の内部に湿気がこもりやすくなり、外だけでなく内側からもカビや藻が発生する可能性が高まるのです。
特に築10年以上経過している建物では、この塗膜の機能低下が進んでいることが多く、見た目にはまだ大丈夫そうに見えても、内部では確実に劣化が進行しているケースも少なくありません。
排気ガス・ホコリの付着
外壁に付着した排気ガスや大気中のホコリ、花粉などの汚れは、カビや藻にとって格好の「エサ」になります。とくに都市部や幹線道路沿い、工場の近くに立地する建物では、これらの汚れが多く付着しやすいため注意が必要です。
さらに、こうした汚れは雨水とともに外壁を伝い、濡れたままの状態が長く続くことで湿気がこもりやすくなり、カビや藻の温床になるという悪循環を引き起こします。
汚れた外壁は表面の撥水性能も低下させるため、塗膜の劣化スピードを早める要因にもなります。その結果、外壁の防水機能が弱まり、より一層カビ・藻の繁殖を招くことにつながります。
放置するとどうなる?カビ・藻によるリスク
カビや藻を外壁に見つけた際、「少し汚れているだけ」と軽視してしまう方も少なくありません。しかし、それを放置すると、見た目の悪化だけでなく、建物全体に深刻なダメージを与える恐れがあります。ここでは、カビ・藻を放置することによって生じる3つの主要なリスクについて詳しく解説します。
①見た目の劣化と資産価値の低下
カビや藻が繁殖すると、外壁は黒ずみや緑色のまだら模様になり、美観が大きく損なわれてしまいます。特に白系やベージュ系など明るい外壁では、こうした汚れが非常に目立ちやすく、家全体の印象が一気に古びたものに見えてしまいます。
このような外観の悪化は、単に見た目の問題にとどまりません。たとえば、将来的に住宅を売却する際やリフォームローンの審査において、「外壁の状態=住宅の管理状態」として評価されるケースも多く、住宅の資産価値を大きく下げてしまう要因となります。
住まいは“見た目”も重要な価値の一部です。日頃の手入れや早めの塗装メンテナンスを行うことで、家の印象を保ち、将来的な資産価値の維持にもつながります。
②外壁材の劣化と雨漏りリスク
カビや藻は外壁の表面にとどまらず、時間が経つと根を張るようにして外壁材の微細な隙間に入り込んでいきます。このとき、外壁の素材によっては表面に小さなクラック(ひび割れ)が生じやすくなり、そこから雨水が内部へと侵入する原因になります。
さらに、カビや藻が生えやすい場所=湿気がこもりやすい環境であるため、一度水分が入り込むと乾燥しづらく、内部の腐食や建材の劣化が進行しやすくなります。その結果、外壁内部の断熱材や柱、構造部分にまで湿気が達し、雨漏りや躯体の損傷を引き起こすリスクが高まるのです。
目に見える汚れをそのままにしておくことが、将来的な大規模修繕や補修コストの増大につながる可能性があるという点は、十分に注意しておく必要があります。
③健康被害の可能性も
見逃されがちなのが、カビによる健康被害です。外壁にカビが生えているということは、建物周辺の空気中にカビの胞子が漂っている状態ともいえます。そしてこの胞子は、換気口やすき間から室内に入り込むことがあり、家族の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
特にアレルギー体質の方や喘息を持つ方、小さなお子さまや高齢の方は注意が必要です。空気中のカビの胞子が呼吸器に影響を与え、咳やくしゃみ、目のかゆみ、気管支炎などの症状を引き起こすこともあるため、カビは単なる外壁の汚れとして放置すべきではありません。
また、外壁だけでなく、室内の壁や天井にもカビが広がるリスクがあることを考えると、早めの対策は住環境全体の衛生面にも大きく関わることになります。
カビや藻が発生しやすい場所と見分け方
外壁のカビや藻は、どこにでも発生するわけではありません。特定の条件がそろった場所で発生しやすく、その特徴を理解しておくことで、早期発見・早期対策につなげることができます。ここでは、特に注意すべき発生ポイントと、その見分け方について詳しく解説します。
北側の外壁
住宅の北側は、一日を通して日光がほとんど当たらないため、湿気がこもりやすくなります。特に梅雨や冬場は、気温差によって結露が発生しやすく、外壁が常に湿った状態になりがちです。このような環境は、カビや藻の繁殖にとって格好の条件であり、多くの家で最初にカビが発生するのは北面の外壁です。
塗膜が劣化している場合はさらに湿気が抜けにくくなり、チョーキングやコケとの複合的な劣化が起こることもあります。
樹木・植栽の近く
庭や敷地内に植えられている樹木や植栽のすぐ近くにある外壁も、カビや藻が発生しやすいポイントです。植物の葉や枝が影を作り、日照を妨げるとともに、朝露や水やりによって外壁が濡れたままの状態になりやすくなります。
また、落ち葉や花粉、土ぼこりが壁面に付着して、カビ・藻の養分になるという二次的な要因も無視できません。自然環境が豊かな地域や、ガーデニングを楽しんでいるご家庭では特に注意が必要です。
窓下・バルコニーの下部
窓の下やバルコニーの真下など、水が垂れて落ちる場所の直下も、カビ・藻の温床になりやすい部分です。雨が降った際、サッシやバルコニーの排水部分から水滴が滴り、外壁の一部が集中的に濡れることで、その部分だけ湿気が高くなります。
とくに軒が短く、外壁が雨に直接さらされやすい構造の住宅では、この現象が顕著に現れます。水が通る場所にはコケや藻が筋のように広がることもあり、放置していると黒ずみ汚れが固定化してしまうことがあります。
換気口やエアコンの室外機まわり
キッチンや浴室の換気口まわり、エアコンの室外機の周辺も注意すべきポイントです。これらの場所では、温かく湿った空気や水分が頻繁に排出されるため、周囲の外壁に湿気が付着しやすくなります。
特に換気扇下は、排気に含まれる油分やホコリが壁面に付着して、それがカビや藻の栄養源になるケースもあります。換気設備が集中している外壁面では、局所的なカビ・藻の繁殖が見られることがよくあります。
カビ・藻の見分け方
見た目だけでカビや藻の有無を判断するのは難しいこともありますが、以下のような症状が見られたら注意が必要です。
- 黒ずみや緑色の変色がある
- 表面を触るとぬめりがある
- 細かい斑点状の模様が広がっている
- 風通しの悪い場所にだけ汚れが集中している
特に明るい時間帯に外から外壁を観察し、色ムラや汚れの偏りがないかをチェックしてみましょう。気になる部分があれば、業者による診断を依頼するのが安心です。
再発を防ぐには?有効な対策方法
一度外壁に発生したカビや藻は、見た目の悪化だけでなく、外壁材そのものの寿命にも影響を及ぼす可能性があります。しっかりと洗浄や補修を行っても、原因を断ち切らなければ再発してしまうことが多いため、「一時しのぎ」ではなく「根本的な再発防止策」が重要です。ここでは、実践的かつ効果的な3つの対策方法をご紹介します。
外壁洗浄で一時的にリセット
外壁のカビや藻は、高圧洗浄やバイオ洗浄を用いることで一時的に除去することが可能です。とくにプロの手によるバイオ洗浄は、微生物を分解する専用の薬剤を使うため、通常の水洗いでは落としきれない根の部分まできれいに除去できます。
ただし、注意したいのは「洗浄=再発防止」ではないという点です。洗浄作業で外見的にはきれいになりますが、外壁の塗膜がすでに劣化して防水機能が落ちている状態では、すぐに再発するリスクが高いのが現実です。洗浄はあくまで一時的なリセット。根本的な再発防止には、次のステップとして塗装の見直しが必要不可欠です。
防カビ・防藻効果のある塗料を選ぶ
本格的にカビや藻の再発を防ぎたいのであれば、防カビ・防藻機能を備えた塗料を選ぶことが有効です。これらの塗料には、微生物の繁殖を抑制する成分が配合されており、塗膜そのものがバリアとなって、再びカビや藻が根を張るのを防いでくれます。
たとえば、シリコン系・ラジカル制御系の塗料の中には、標準で防藻・防カビ効果を持つものがありますし、フッ素系や無機系塗料ではさらに長期間の効果が期待できる製品も登場しています。
また、松本市のように湿気や寒暖差が大きい地域では、地域の気候に適した塗料を選定することも再発防止の大きなポイントです。地元の塗装業者に相談し、建物の立地や環境に合った製品を提案してもらいましょう。
通気・排水の改善
カビや藻の発生は、外壁の構造や周辺環境の影響も大きく受けます。塗装や洗浄だけでなく、建物まわりの湿気を減らす工夫もあわせて行うことで、再発のリスクを大幅に下げることができます。
たとえば以下のような改善策があります。
- 植栽の剪定:外壁に近い樹木や植え込みをこまめに剪定し、日当たりと風通しを良くする
- 雨樋の清掃・補修:詰まりや破損があると水がうまく排水されず、壁を伝って湿気を増やす原因に
- 庇(ひさし)や軒の整備:雨が直接外壁に当たらないようにすることで、濡れた状態が長時間続くのを防ぐ
- 地面の排水処理:外壁の根元付近の水はけが悪い場合、砂利を敷くなどの対策で改善可能
こうした環境改善と防カビ塗料の併用により、初めて「カビ・藻の再発を本格的に防ぐ」ことができます。
防カビ・防藻に効果的な塗料とは?
カビや藻の再発を防ぐには、適切な洗浄や通気環境の改善に加えて、「どんな塗料を選ぶか」も非常に重要なポイントになります。塗料によっては、防カビ・防藻効果に優れているもの、汚れが付きにくい性質を持っているもの、さらには光の力で微生物を分解する画期的なものまで登場しています。
ここでは、カビや藻の再発を防ぐうえで特に効果が高い3つの塗料タイプをご紹介します。
・ラジカル制御型塗料
ラジカル制御型塗料とは、塗膜を劣化させる原因となる「ラジカル(不安定な酸素の分子)」の発生を抑える特殊な成分を配合した塗料です。ラジカルは、紫外線などの影響で発生し、塗料の顔料に含まれる酸化チタンと反応して塗膜を劣化させる原因となります。
ラジカル制御型塗料は、この酸化チタンの暴走を抑制し、塗膜の劣化スピードを遅らせる働きを持っています。これにより、外壁の防水性・耐候性が長持ちし、カビや藻の発生も抑えられるというわけです。
価格もシリコン塗料と同等〜やや高め程度で、コストと性能のバランスが非常に良いため、住宅用塗装において非常に人気のある選択肢となっています。特に松本市のように寒暖差が大きく、紫外線量も比較的高い地域では、ラジカル制御型塗料の効果がより実感されやすいといえるでしょう。
・フッ素塗料・無機塗料
フッ素塗料および無機塗料は、いずれも高耐久・高性能を誇るプレミアム塗料です。とくに塗膜表面が非常に滑らかで、ホコリや排気ガスといった汚れが付きにくく、さらに微生物が付着しにくい構造となっているため、カビや藻の発生を長期間にわたって抑制できます。
【フッ素塗料】
耐候性・耐久性ともに非常に高く、塗り替えの目安は約15〜20年。雨風や紫外線にも強く、カビや藻の発生が懸念される立地(北側・湿気の多い場所など)にも効果的。
【無機塗料】
セラミック成分を含み、無機素材ならではの耐熱性・防汚性・耐候性に優れています。さらに燃えにくい性質もあり、半永久的な寿命を持つ塗料として注目されています。
どちらも初期費用はやや高額にはなりますが、「10年おきに塗り替えるよりも、20年耐久で1回済ませたい」という方にとっては、長期的にはコストパフォーマンスの高い選択となります。
光触媒塗料
近年注目を集めているのが「光触媒塗料」です。これは、太陽光(紫外線)に反応することで塗膜表面に酸化反応を起こし、有機物(=カビ・藻の栄養源)や汚れを分解・浮かせて雨水で自然に洗い流す、“自浄作用”を持つ塗料です。
光触媒塗料の主成分は「酸化チタン」。この物質は、紫外線を受けると非常に活発な分解力を発揮し、外壁に付着した微生物や排気ガスなどの有機物を分子レベルで分解してしまう力を持っています。
また、光触媒塗料には抗菌作用もあり、外壁表面で微生物が繁殖するのを抑える働きもあります。ただし、日当たりの悪い場所では効果を十分に発揮できないこともあるため、建物全体の日照状況を考慮して選定することが重要です。
まとめ
外壁にカビや藻が発生する原因は、湿気や日当たり、塗膜の劣化などさまざまです。放置すると見た目だけでなく、建物や健康への悪影響も避けられません。
カビや藻の再発を防ぐには、防カビ・防藻性能のある塗料を使い、環境に合わせたメンテナンスを行うことが大切です。松本市での塗装工事は、地域の特性を熟知した株式会社colorにぜひお任せください。
松本市のような寒冷地・積雪地域では、湿気がこもりやすく、カビ・藻の発生が起こりやすい傾向にあります。こうした地域性を理解したうえで、適切な対策をおこなうことが大切です。
株式会社colorでは、防カビ・防藻効果のある塗料の提案、高圧洗浄・下地処理を含めた丁寧な施工、そして一級塗装技能士による診断・アドバイスを通して、お客様の外壁を長持ちさせるご提案をしています。現地調査・お見積もりは無料ですので、「もしかしてカビかも…」と不安を感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。