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漆喰壁でも塗装が可能?漆喰壁のメンテナンス方法について

2025/02/28

漆喰壁は、日本の伝統建築で愛されてきた美しい壁材の一つです。自然素材ならではの調湿効果や防火性能など、優れた特徴を持っていますが、長年使用していると、ひび割れや汚れが気になってくることがあります。「漆喰壁に塗装することはできるのだろうか」というご相談をよくいただきます。

今回は、漆喰壁の特徴から劣化の兆候、適切なお手入れの方法、そして塗装による補修の可能性まで、解説させていただきます。

漆喰壁の特徴

漆喰は、古くから日本の建築文化を支えてきた伝統的な塗り壁材です。主成分である石灰は自然素材で、日本の寺社仏閣や城郭建築などの歴史的建造物に広く使用されてきました。その優れた性能と美しい仕上がりは、現代の建築でも高く評価されており、近年では和風建築に限らず、モダンな洋風住宅やコンテンポラリーな商業施設にも積極的に採用されるようになっています。漆喰壁が持つ主な特徴は以下の通りです。

調湿性に優れる

室内の湿度を自然に調整する性質があり、過度な湿気を吸収して快適な室内環境を保ちます。これにより、結露の発生を防ぎ、カビの繁殖を効果的に抑制することができます。

防火性が高い

不燃性の素材であるため、火災に対して強い耐性を持っています。万が一の火災時にも燃え広がりを防ぎ、建物全体の安全性を大きく向上させる効果があります。

抗菌・防カビ性

漆喰に含まれる天然のアルカリ成分には強い抗菌作用があり、有害な細菌やカビの繁殖を自然に抑制します。これにより、清潔で健康的な住環境を維持することができます。

美しい仕上がり

漆喰特有の上品な質感と柔らかな光沢は、空間に深みのある表情を与えます。時間とともに味わいを増す独特の経年変化も魅力で、長期にわたって高級感のある内外装を演出することができます。

漆喰壁のメリット

自然素材で健康な住まいを実現

漆喰は石灰を主成分とした自然素材です。化学物質を一切含まないため、シックハウス症候群の原因となる有害物質の心配がありません。お子様やご高齢の方、アレルギーをお持ちの方にも安心して過ごしていただける空間づくりが可能です。

さらに、漆喰の持つ抗菌・防カビ効果により、室内の空気を自然な形で清潔に保ちます。湿度の高い地域や梅雨時期でも、カビの発生を抑制できる点は大きな特長といえます。

調湿効果による快適な室内環境

漆喰は「呼吸する壁」と呼ばれるほどの調湿機能を備えています。湿度が高いときには余分な水分を吸収し、乾燥時には適度に放出することで、室内を快適な湿度に保ちます。

この特性により、夏の蒸し暑さや冬の乾燥による不快感を軽減。空調機器や加湿器に頼り過ぎることなく、自然な形で快適な住環境を実現できます。また、結露の抑制効果もあり、窓や壁のカビ予防にも効果的です。

適切なメンテナンスで美しさが持続

漆喰壁は、定期的なメンテナンスを行うことで長期にわたり美しさを保つことができます。一般的なビニールクロスや塗装仕上げと比較しても耐久性に優れ、数十年という長期スパンでの維持が可能です。

特に、漆喰が持つ強アルカリ性により、カビや細菌の繁殖を自然に抑制するため劣化が緩やかです。万が一汚れが気になる場合でも、部分的な補修で対応できるため、大規模な改修工事を必要とせず、効率的に美観を維持できます。

漆喰壁のデメリット

ひび割れが発生しやすい

漆喰は硬化後の強度は十分にありますが、やや柔軟性に欠けるため、建物の揺れや年月の経過に伴ってひび割れが生じることがあります。特に新築やリフォーム後の数年間は、乾燥による収縮で細かなひびが入りやすい傾向にあります。

このひび割れを放置してしまうと、見た目が損なわれるだけでなく、湿気や水が壁の内部に侵入して劣化を早める可能性があります。そのため、定期的な点検と適切な補修をお勧めしています。

汚れが付きやすく、掃除が難しい

漆喰壁は表面に微細な穴が多い構造となっているため、ホコリや手垢、油汚れが付着しやすい特徴があります。特にキッチンや玄関など、日常的に汚れが付きやすい場所では、徐々に黒ずみやシミが目立ってくることがあります。

また、通常の水拭きでは汚れが落ちにくく、強くこすると壁材を傷めてしまう恐れがあるため、お手入れの際には注意が必要です。気になる汚れには専用クリーナーの使用や、場合によっては部分的な塗り直しをご検討ください。

施工には専門的な技術と時間が必要

漆喰壁の施工には、一般的な壁材と比べてより高度な技術と丁寧な作業が求められます。職人による手作業が基本となるため、施工期間もやや長めになります。また、完全な乾燥には気温や湿度にもよりますが、数週間から数カ月程度かかることもあります。

施工時は適切な温度・湿度管理が重要で、乾燥が早すぎるとひび割れの原因となるため、慎重な作業が必要です。そのため、施工費用は比較的高めとなり、一般の方によるDIY施工はあまりお勧めできない点もご理解ください。

漆喰壁の劣化サイン

漆喰壁は耐久性が高く長期間使用できる建材ですが、時間の経過とともにさまざまな劣化の兆候が現れることがあります。早期発見と適切な対処が重要となるため、以下の主な劣化サインに注意を払う必要があります。

ひび割れ(クラック)

建材の乾燥収縮や地震などの振動、建物の経年変化による応力で、壁面に細かいひびや亀裂が発生することがあります。放置すると雨水の侵入経路となる可能性があります。

剥がれ・浮き

経年劣化や水分の影響により、漆喰と下地材との接着力が低下し、部分的に剥離や浮きが発生することがあります。特に水回りや外壁では注意が必要です。

カビ・汚れの付着

特に浴室や台所など湿気の多い場所では、壁面にカビが発生したり、水垢や油汚れが付着したりすることがあります。適切な換気と定期的な清掃が予防には重要です。

劣化の原因

経年劣化

長年使用していると、自然と壁材が徐々に劣化していきます。強度や性能が少しずつ低下するため、早めの点検とメンテナンスが大切になります。

地震や建物の揺れによる影響

地震や建物自体の揺れにより、漆喰壁に負担がかかることがあります。特に壁のつなぎ目や窓・ドア周りでは、ひび割れや剥がれが起きやすいので注意が必要です。

雨水による劣化

外壁、特に軒下など雨が直接当たる場所では、水分により劣化が早まる傾向があります。放置すると壁の強度が低下したり、建物の内部にまで影響が及んだりする可能性があるので、早めの対処をおすすめします。

紫外線による影響

外壁の漆喰は、長期間太陽光にさらされることで表面が劣化し、細かいひび割れや色むらが出やすくなります。特に南向きの壁は紫外線の影響を受けやすいため、定期的な確認が重要です。

漆喰壁のメンテナンス方法

 

軽度な劣化への対処方法

漆喰壁の軽度な劣化に対しては、汚れや黒ずみは柔らかいスポンジと中性洗剤を使用して掃除することができます。また、小さなひび割れについては、市販の漆喰補修材を使用することで簡単に修復が可能です。

ひび割れ・剥がれの補修方法

漆喰壁のひび割れや剥がれを補修する際は、大きなひび割れの場合、既存の漆喰を削り取って新しく塗り直す必要があります。また、剥がれが生じた部分については、適切な下地処理を行った上で新しい漆喰を塗り直します。

漆喰壁の塗装は可能?

漆喰壁への塗装は、適切な下地処理を行えば可能です。ただし、漆喰本来の呼吸性を損なわないよう、透湿性の高い塗料を使用することが重要なポイントとなります。

漆喰壁に適した塗料と塗装方法

漆喰壁に合う塗料を選ぶ時は、いくつかの大切なポイントがあります。まず、漆喰の「呼吸する」性質を損なわないよう、透湿性の高い塗料を選びましょう。できれば漆喰専用の塗料がおすすめです。というのも、これらの塗料は耐久性が高く、汚れにくい特徴があるからです。

また、漆喰本来の良さである湿度調整や空気をきれいにする効果を活かすため、塗料の特徴をしっかり確認することが大切です。さらに、塗装後の見た目を長く美しく保つために、日光や雨に強い塗料を選ぶことをお勧めしています。

おすすめの塗料

  • 日本ペイント「ケンエースG-II」(防カビ・防藻効果あり)
  • エスケー化研「アートフレッシュ」(透湿性に優れる)
  • 関西ペイント「アレスシックイ」(漆喰の質感を生かせる)

漆喰壁の塗装手順

  1. 汚れやカビを除去
  2. ひび割れを補修
  3. 下地処理剤(シーラー)を塗布
  4. 塗料を2〜3回塗り重ねる

漆喰壁のメンテナンス費用と注意点

費用の目安

工事内容 費用の目安
軽微な補修 5,000円〜20,000円
部分的な補修 30,000円〜80,000円
全面塗り直し 150,000円〜500,000円

メンテナンス時の注意点

漆喰壁のメンテナンスは専門的な知識と技術が必要なため、経験豊富な専門業者に依頼することをお勧めしています。DIYで施工すると、見た目が損なわれるだけでなく、壁本来の機能を失ってしまう可能性があるためです。特に塗装作業では、下地処理が適切でないと塗装が剥がれたり気泡が発生したりするほか、漆喰の大切な調湿効果が失われてしまうこともあります。そのため、作業は慎重に進める必要があります。古い建物や文化財としての価値がある建造物の場合は、より高度な専門知識が求められますので、必ず実績のある業者にご相談ください。

まとめ

漆喰壁は、湿度を調整する力や火に強い特性を持ち、見た目の美しさと実用性を兼ね備えた日本の伝統的な壁材です。ただし、これらの良さを長く保つためには、定期的なチェックとしっかりとしたお手入れが必要になります。塗装で補修や保護をすることもできますが、漆喰本来の性能を失わないように、水蒸気を通す専用の塗料を選び、正しい手順で工事を進めることが大切です。また、工事をする際は温度や湿度の管理、下地づくりなど、細かい部分にも注意を払う必要があります。

松本市で漆喰壁の補修・塗装をお考えの方は、「株式会社color」までお気軽にご相談ください!

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